社員50名規模の会社に最適なITサポートとは?体制の選び方と費用の目安
社員50名前後の会社は、IT管理において最も「はざま」に立たされやすい規模です。
社員10名程度であればIT課題もシンプルで、社長や事務担当が兼任で何とか回せます。社員200名を超えれば、IT担当者を複数名雇う必然性も予算もあります。しかし50名規模は「ひとり情シスを置くには予算が厳しいが、誰もITを見ないわけにもいかない」という中途半端な状態に陥りやすい規模です。
この記事では、社員50名規模の会社が必要とするIT環境の全体像、IT体制の選択肢、費用シミュレーションを解説し、最適なITサポートの形を提案します。
社員50名規模の会社が管理すべきIT環境
社員50名の会社では、おおむね以下のIT環境を管理する必要があります。
端末管理。PC50台前後、スマートフォン・タブレット20〜30台。OSのアップデート、セキュリティパッチの適用、故障時の代替機手配、入退社に伴うキッティング(セットアップ)と回収。年間の入退社が10〜15名だとすると、キッティングだけで年に20〜30台の作業が発生します。
アカウント管理。Microsoft 365またはGoogle Workspaceのユーザーアカウント50件。入退社・異動に伴うアカウントの作成・変更・削除、パスワードリセット対応。業務システム(会計、勤怠、CRMなど)のアカウント管理も含めると、管理対象は3〜5システム×50名分になります。
ネットワーク管理。オフィスのLAN環境(ルーター、スイッチ、Wi-Fiアクセスポイント)、インターネット回線、VPN(リモートワーク対応の場合)。50名規模であればWi-Fiアクセスポイントは2〜4台、会議室用のモニター・プロジェクターも管理対象です。
セキュリティ管理。MFA(多要素認証)の運用、エンドポイントセキュリティ(Windows Defender / EDR)の監視、セキュリティパッチの適用管理、サインインログの確認。50名規模であればセキュリティポリシーの策定・運用も必要です。
SaaS・ライセンス管理。Microsoft 365のライセンス管理に加え、会計ソフト、勤怠管理、CRM、ファイル共有、コミュニケーションツールなど、平均して10〜15種類のSaaSを利用しています。それぞれの契約更新、コスト管理、利用状況の確認が必要です。
ヘルプデスク。「PCが遅い」「プリンターに印刷できない」「Teamsの使い方がわからない」といったIT問い合わせが、50名規模だと月に30〜50件発生します。1件あたり平均15〜30分かかるとすると、月に10〜25時間をヘルプデスク対応に費やすことになります。
IT体制の3つの選択肢
選択肢1: IT専任者を1名採用する
正社員のIT担当者を1名雇う方法です。社内に常駐するため、物理的なトラブル対応が速く、社員とのコミュニケーションも密に取れます。
年間コスト: 600〜850万円(年収500〜700万円+社会保険料+採用コスト)
課題: 50名規模の会社でこの年収を出せるかどうかが最大のハードルです。さらに、採用できたとしても「ひとり情シス」状態になるため、休暇が取れない、退職時にノウハウがなくなる、1人で全領域をカバーしきれないといった問題が発生します。
ひとり情シスのリアルな課題は「ひとり情シス」が本当につらい5つの瞬間と、その乗り越え方で解説しています。
選択肢2: 情シスアウトソーシングを利用する
IT運用の全部または一部を外部の専門チームに委託する方法です。ヘルプデスク、アカウント管理、セキュリティ監視、ネットワーク管理を月額固定で代行します。
年間コスト: 216〜420万円(月額18〜35万円×12か月)
メリット: 正社員1名の半額以下のコストで、チーム体制(複数名)による安定した運用が可能です。退職リスクがなく、属人化もしません。セキュリティの専門知識も含めてカバーできます。
課題: 物理的な作業(配線、機器設置)は別途手配が必要な場合があります。また、社内の業務プロセスを深く理解するまでに1〜2か月の立ち上げ期間がかかります。
選択肢3: ハイブリッド型(社内担当+アウトソーシング)
社内にIT担当者を1名置き(専任でなくてもよい)、日常運用の大部分をアウトソーシングで補完する方法です。50名規模の会社にとって最もバランスの良い選択肢です。
年間コスト: 社内担当者の人件費(兼任の場合は追加コストなし)+アウトソーシング216〜420万円
メリット: 社内に「IT窓口」がいるため、社員の安心感がある。日常のヘルプデスクやセキュリティ運用は外部チームが対応し、社内担当者はIT戦略やベンダー調整に集中できる。ひとり情シスの過負荷を防げる。
50名規模の会社にありがちなITの落とし穴
「なんとなくIT担当」の限界
50名規模の会社で最も多いのが、総務や経理のスタッフが「PCに詳しい」という理由でITを兼任しているパターンです。簡単なPC設定やパスワードリセットには対応できますが、セキュリティ設計、ネットワーク管理、ライセンス管理といった専門的な業務には手が回りません。
このリスクについては社員30人の会社で「なんとなくIT担当」が抱えるリスクとはで詳しく解説しています。
退職者アカウントの放置
入退社の頻度が高い50名規模の会社で、IT担当が不明確だと退職者のアカウント削除が漏れがちです。Microsoft 365のアカウントが残っていれば、退職後も社内メールやファイルにアクセスできてしまいます。
セキュリティ対策の先送り
「今は忙しいから」「予算がないから」とセキュリティ対策を先送りした結果、ランサムウェアに感染して全データを失うケースが実際に起きています。50名規模の会社にとって、最低限やるべきセキュリティ対策はこちらの記事でまとめています。
費用シミュレーション
50名規模の会社が1年間にかかるIT管理コストを、3つの選択肢で比較します。
正社員IT担当者を1名採用する場合
人件費(年収550万円+社会保険料)で年間約700万円。採用コスト(エージェント経由で年収の30%)で165万円。初年度合計約865万円、2年目以降約700万円。
ただし1名ではセキュリティ専門知識をカバーしきれないため、セキュリティ監査やインシデント対応は別途外部依頼が必要になる可能性があります。
情シスアウトソーシングのみの場合
Standard(月額35万円)で年間420万円。セキュリティ対策込みのSecurity Pack(月額45万円)で年間540万円。正社員採用と比較して、年間160〜280万円のコスト削減になります。
ハイブリッド型の場合
社内IT兼任担当者(追加人件費なし)+Support365 Light(月額18万円)で年間216万円。IT兼任担当者の負荷を最小限にしつつ、専門的な対応は外部チームに委託。最もコスト効率の高い選択肢です。
どの選択肢を選ぶべきか
50名規模の会社がどの選択肢を選ぶべきかは、以下の判断基準で決まります。
IT投資に年間700万円以上の予算がある+ITを経営の中核に据えたい → 正社員採用。ただし退職リスクへの備えとして、アウトソーシングとの併用も検討。
IT投資は年間300〜500万円に抑えたい+セキュリティもしっかり対応したい → 情シスアウトソーシング(StandardまたはSecurity Pack)。
IT投資は最小限にしたい+社内に兼任できるスタッフがいる → ハイブリッド型(兼任担当者+Support365 Light)。
迷っている場合は、まずアウトソーシングから始めて、IT課題が明確になった段階で正社員採用を検討する方法が最もリスクが低いです。
まとめ
社員50名規模の会社は、IT管理が「片手間では回らない」が「専任者を雇うには予算が厳しい」という境界線上にあります。PC50台、アカウント50件、SaaS10〜15種類、月30〜50件のヘルプデスク対応——これらを適切に管理するには、何らかの専門的なIT体制が必要です。
コストと安定性のバランスで最も優れているのは、情シスアウトソーシング、またはハイブリッド型(社内担当者+アウトソーシング)です。情シス365では、50名規模の中小企業向けに月額18万円〜の情シス代行サービスを提供しています。