Microsoft Defenderだけで十分?中小企業のエンドポイントセキュリティ選定ガイド
「ウイルス対策ソフトは何を使えばいいですか?」― 中小企業のIT担当者からよく受ける質問です。Windows 10以降に標準搭載されているMicrosoft Defenderの性能が大きく向上した今、有料のセキュリティソフトが本当に必要かどうかは、多くの企業にとって悩ましい問題です。
本記事では、中小企業がエンドポイントセキュリティを選定する際の判断基準を解説します。
Windows Defender(標準機能)の実力
Windows 11に標準搭載されているMicrosoft Defenderウイルス対策は、第三者機関のテストで主要な有料製品と同等の検出率を記録しています。リアルタイム保護、クラウド保護、ネットワーク保護の基本機能は十分な水準です。
ただし、標準のDefenderには管理コンソールがありません。各端末のDefenderが正常に動作しているか、定義ファイルが最新かを一元的に把握する手段がなく、管理者が各PCを個別に確認する必要があります。端末数が増えるほど管理が困難になります。
Microsoft Defender for Business(Business Premium付属)
Microsoft 365 Business Premiumに含まれるDefender for Businessは、標準のDefenderに企業向けの管理機能を追加した製品です。
主な追加機能として、集中管理コンソール、EDR(エンドポイント検出・応答)、脅威の自動調査・修復、脆弱性管理があります。EDRは「侵入された後」の検知と対応に強く、従来のアンチウイルスでは防ぎきれない高度な攻撃に対応します。
Business Premiumをすでに利用中、またはこれから導入する企業にとっては、追加費用なしでEDRまで使えるため、コストパフォーマンスは非常に高いです。
サードパーティ製品との比較
EDR製品(CrowdStrike Falcon、SentinelOne等)
高度な脅威検知、AIベースの行動分析、豊富なインシデント対応機能を備えた専門製品です。検知精度と対応速度は最高水準ですが、ライセンス費用は1台あたり月額1,000〜2,000円程度と高額です。SOCチームやセキュリティ専門人材が必要になるため、中小企業単独での運用はハードルが高いです。
従来型アンチウイルス(ESET、Trend Micro等)
管理コンソール付きで端末を一元管理でき、日本語サポートも充実しています。1台あたり月額300〜500円程度で、導入しやすい価格帯です。ただし、EDR機能は上位プランのみ、または別製品として提供されるため、コストが上がります。
選定の判断基準
Microsoft Defender(標準)で十分なケース: 端末数が10台以下で、管理者が個別に状態を確認できる規模。最小コストで最低限の保護を確保したい場合。
Defender for Business(Business Premium)が最適なケース: Microsoft 365 Business Premiumを利用中またはこれから導入する企業。EDR機能まで追加費用なしで利用でき、中小企業にとってはコスト・機能のバランスが最も良い選択肢。
サードパーティEDR製品が必要なケース: 高度なセキュリティ要件がある業種(金融、防衛関連、個人情報を大量に扱うBtoC企業)。自工会ガイドラインのレベル3対応など、業界標準の高い基準を求められる場合。
導入後の運用が重要
どの製品を選んでも、導入しただけでは不十分です。アラートが発生した際に誰が対応するのか、検知された脅威をどうエスカレーションするのか、運用体制を事前に整備することが重要です。
情シス365では、Microsoft Defender for Businessの設計・導入から、アラート監視・インシデント対応まで包括的に支援しています。60分無料相談をご利用ください。