【2026年2月】Google Workspace アップデート情報まとめ ― AI有料化の布石・DLP強化・Gemini連携拡大
2026年2月のGoogle Workspaceは、AI機能の有料化への明確なシフトが最大のトピックです。これまでBusiness/Enterpriseプランのユーザーが無料プロモーションとして利用できていた高度なAI機能に利用制限がかかり始め、より多くの利用には新しい有料アドオンが必要になります。
IT担当者・経営層が押さえるべきポイントを「AI・Gemini」「セキュリティ・管理」「アプリ新機能」の3カテゴリに分けてお伝えします。
AI・Gemini関連
AI Expanded Access アドオンの登場(3月1日〜)
2月5日に発表された AI Expanded Access は、Google Workspaceの新しいアドオンSKUです。Business Standard / Plus、Enterprise Standard / Plus のユーザーが購入可能で、その他のプランは3月1日から購入可能になります。
背景: これまで高度なAI機能(Nano Banana ProによるAI画像生成、Veo 3.1によるAI動画生成など)はプロモーションとして高い利用上限で提供されていましたが、2026年2月3日からプロモーションの利用上限が引き下げられました。 つまり、無料で使えるAI機能の量が減り、以前と同じレベルで使い続けるにはアドオンの購入が必要になります。
AI Expanded Accessで拡張される機能は以下の通りです。
Geminiアプリ: Gemini 3 Proなど最上位モデルでの深い推論(Deep Reasoning)のアクセス拡大。NotebookLM: より大きなソースライブラリでのAudio Overview、インフォグラフィック、Mind Mapの生成枠拡大。画像生成: Slides、NotebookLM、Geminiアプリでの Nano Banana Pro による画像生成の拡大。動画生成: Google Vids、Flow、GeminiアプリでのVeo 3.1による動画・AIアバター生成の拡大。Meet音声翻訳: リアルタイム音声翻訳の利用枠拡大。
中小企業への影響: 一般的な業務用途であれば、標準プランに含まれるAI機能で十分なケースが多いでしょう。ただし、マーケティング部門や営業資料作成でAI画像・動画生成を頻繁に使っている場合は、3月以降に利用制限に達する可能性があります。まずは2月中に、自社でどの程度AI機能が使われているかをAdmin consoleで確認することを推奨します。
Google ChatがGeminiのデータソースに
Geminiアプリ(gemini.google.com)のデータソースにGoogle Chatが追加されました。Gmail、Google Driveに続く3つ目のWorkspace連携データソースです。
これにより、「プロジェクトXの最新の期限は?」「今日の未読チャットを要約して」といったプロンプトで、Chat内の情報を横断検索・要約できるようになります。
管理者の注意点: この機能はデフォルトでOFFです。管理者がOU(組織部門)またはグループ単位で有効化する必要があります。情報セキュリティの観点から、どの範囲のユーザーに有効化するかを検討してから設定してください。
Gemini会話履歴の管理機能
2月25日から Gemini会話履歴の管理者コントロールが利用可能になりました。3月3日以降、GeminiアルファプログラムのユーザーからGemini in Workspace内での会話履歴機能が順次展開されます。
管理者は、ユーザーが個別の会話を手動で削除できるかどうかを制御できます。会話はプライベートで、各ユーザーは自分の履歴のみ閲覧可能です。
GmailのProofread(校正機能)がWorkspaceに拡大
メール作成時に、スペルや文法だけでなく簡潔さ、能動態、文構造、語彙選択まで改善提案してくれるGemini搭載の校正機能が、追加のWorkspaceプランに展開されました。
Docsの音声要約機能
Google Docsに音声要約(Audio Summary)機能が追加されました。ドキュメントの要点を音声で聞くことができ、長文レポートの内容を素早く把握するのに便利です。
セキュリティ・管理関連
Google カレンダーのDLPポリシー(ベータ)
Google カレンダーにDLP(データ損失防止)ポリシーが適用可能になりました(ベータ版)。現時点ではカレンダーの予定に添付されたDocs、Sheets、Slidesが保護対象です。
すでにGmailとDriveにDLPを適用している企業は、カレンダー経由での情報漏洩リスクも軽減できるようになります。カレンダーの予定で外部共有されたファイルが、DLPポリシーに引っかかるケースを検知できるため、地味ですが実用的なアップデートです。
Gemini利用状況レポートの強化
Admin consoleのGeminiレポートに 新しい利用状況メトリクスが追加されました。機能別、アプリ別、アクティブユーザー別のAI機能利用データが確認でき、管理者はサブスクリプションの管理やGemini導入の効果測定に活用できます。
AI Expanded Accessの購入判断にも直結するデータなので、まだ確認していない管理者は今月中にレポートを確認してください。
Windowsデバイス管理の権限設定更新
Google Endpoint Managementで管理するWindows 10/11デバイスのローカル管理者権限の設定が改善されました。特定ユーザーをWorkspace経由で管理しながら、ローカルの管理者アクセスを維持する設定が柔軟にできるようになりました。
Google Groups の権限追加
「グループの詳細を変更できるユーザー」 という新しい権限が追加されました。グループのオーナーやマネージャーが、グループ名や説明の編集権限を特定のロールに付与できるようになります。
アプリ新機能
Google Sheets に新関数 =SHEET / =SHEETS
Google Sheetsに =SHEET と =SHEETS の2つの新関数が追加されました。
=SHEET(value): 指定したシート名または参照のシート番号を返します。引数を省略すると、関数が含まれるシートの番号を返します。=SHEETS(): スプレッドシート内の全シート数を返します。引数は受け付けず、引数を入れるとエラーになる点に注意してください。
タブ数の多いスプレッドシートでの管理や、マクロ・スクリプトとの連携で便利に使えます。
Google Meet の画面共有改善
画面共有中のコンテンツを別ウィンドウで表示する「Open in new window」オプションが追加されました。プレゼンター・参加者ともに、共有コンテンツと参加者のビデオを並べて表示できます。
また、画面共有開始時にピクチャー・イン・ピクチャーが自動で起動する機能も追加され、自分のプレゼン中に参加者の反応を確認しやすくなりました。
Google Meet ハードウェアの通話設定
Google Meet ハードウェアにビデオ通話のオン/オフ切り替え設定が追加されました。会議室のデバイス管理がより柔軟になります。
Google Vids の機能拡大
Google Vidsの読み上げテレプロンプター、トランスクリプトトリム、スタイル字幕の3機能が、Workspace全エディションのユーザーに開放されました。また、動画の録画・インポートの上限が引き上げられ、長時間のトレーニング動画やタウンホールミーティングの録画もVids内で扱いやすくなりました。
Figma for Google Workspace アドオン
FigmaのGoogle Workspaceアドオンがリリースされ、Workspace内からFigmaファイルのコラボレーションが可能になりました。デザインチームとの連携がスムーズになります。
中小企業のIT担当者がやるべきこと
今すぐ確認: Admin consoleのGeminiレポートで、自社のAI機能利用状況を把握してください。3月1日以降のプロモーション終了に備え、AI Expanded Accessの購入が必要かどうかを判断する材料になります。
3月まで: Google ChatのGemini連携を有効化するかどうか、セキュリティポリシーと照らし合わせて検討してください。デフォルトOFFなので急ぎではありませんが、生産性向上の可能性が大きい機能です。
随時: カレンダーDLP(ベータ)の導入を検討してください。特に外部とのファイル共有が頻繁な組織では、カレンダー経由のデータ漏洩リスクを軽減できます。
プラン検討中の方へ: Google WorkspaceのBusiness系プランもMicrosoft 365と同様に最大300ユーザーまでです。301名以上の組織はEnterprise Standardへの移行が必要です。AI Expanded Accessの費用も含め、総コストを確認しておきましょう。
Google Workspaceの管理設定やセキュリティ強化でお悩みの方は、情シス365 にご相談ください。DLPの設定やGemini機能の活用方針など、貴社の環境に合わせたアドバイスをいたします。