ひとり情シスの年間業務カレンダー ― 月別やるべきことチェックリスト
ひとり情シスの最大の敵は「突発業務」です。PCの故障、セキュリティインシデント、急な退職者のアカウント処理。目の前の火消しに追われるうちに、本来やるべき計画的な業務が後回しになっていく。
この悪循環を断ち切る第一歩は、年間を通じた業務の見通しを立てることです。本記事では、ひとり情シスが月別に対応すべき業務をカレンダー形式で整理しました。
4月:入社対応と年度切り替え
4月は情シスにとって最も忙しい月です。新入社員のPCキッティング、メールアカウントの作成、Microsoft 365やSlackなどのSaaSアカウント発行、セキュリティ研修の実施。これらを入社日までに完了させる必要があります。
同時に、年度切り替えに伴うライセンスの棚卸しも行いましょう。前年度に退職した社員のアカウントが残っていないか、使われていないSaaSのライセンスがないかを確認する好機です。
5月:セキュリティ点検
大型連休明けは、セキュリティの見直しに最適なタイミングです。長期休暇中のログを確認し、不正アクセスの痕跡がないかチェックしましょう。
ファイアウォールのルール見直し、ウイルス対策ソフトの定義ファイル更新状況の確認、VPN接続ログの確認もこの時期に行うと、年間のセキュリティ計画に余裕を持てます。
6月:バックアップと災害対策の確認
梅雨〜台風シーズンに備えて、バックアップの動作確認とBCP(事業継続計画)のIT面での見直しを行います。バックアップからの実際の復元テストを年に一度は行いましょう。「バックアップを取っていたのに復元できなかった」は想像以上によくある話です。
UPS(無停電電源装置)のバッテリー状態も確認してください。導入から3年以上経過していればバッテリー交換を検討しましょう。
7月:IT予算の中間レビュー
上半期の実績を振り返り、下半期の予算配分を見直します。ライセンスの増減、突発的な機器故障への対応費用、下半期に予定しているプロジェクトの費用を再確認しましょう。
この時期に経営層に対して「下半期のIT投資計画」を提示しておくと、秋以降の予算確保がスムーズになります。
8月:ドキュメント整備
夏季休暇期間は比較的落ち着くため、日頃手が回らないドキュメント整備に充てるのが効果的です。ネットワーク構成図の更新、システム一覧の見直し、パスワード管理台帳の確認、運用手順書の更新などを行いましょう。
自分がいなくなったときに誰でも最低限の対応ができるよう、緊急時対応マニュアルの作成・更新もこの時期に行いたいところです。
9月:下半期の入退社対応準備
10月の組織変更や中途採用に備えて、アカウント管理のフローを確認しておきます。入社・退社のチェックリストを最新の状態に更新し、人事部門との連携フローを再確認しましょう。
10月:ライセンス更新とOS・ソフトウェアの更新
年度後半にライセンスの更新時期が集中する企業は多いです。Microsoft 365、セキュリティソフト、業務アプリケーションなどのライセンス更新スケジュールを一覧化し、漏れなく対応しましょう。
Windowsの機能アップデートもこの時期にリリースされることが多いため、検証環境でのテストと展開計画の策定も行います。
11月:来期IT予算の策定
多くの企業では11〜12月に来期予算の策定が始まります。今期のIT支出の実績を整理し、来期に必要な投資(PC入替、ソフトウェア導入、セキュリティ強化など)を経営層に提案する準備をしましょう。
「なぜこの投資が必要なのか」を経営者の言葉で説明できるよう、ビジネスへの影響を軸にした説明資料を用意することが大切です。
12月:年末の棚卸しとセキュリティ強化
年末年始の長期休暇に備えて、以下の対応を行います。IT資産の棚卸し(PC、モバイル端末、USBメモリなどの現物確認)、不要アカウントの棚卸しと削除、長期休暇中のセキュリティ注意喚起(フィッシングメール対策、PC持ち出しルールの再周知)、緊急連絡体制の確認です。
1月:新年度に向けた計画策定
年始は、来期のIT戦略を具体的な実行計画に落とし込むタイミングです。新たに導入するシステムの選定、ベンダーとの商談、POC(概念実証)のスケジュールを組みましょう。
2月:来期入社者のPC手配
4月入社の新入社員向けPCの手配をこの時期に始めます。発注から納品まで2〜4週間かかることを考慮すると、2月中に機種選定と発注を完了させるのが理想です。キッティングの外注を利用する場合は、この時期に業者への依頼も行いましょう。
3月:退職者対応と年度末処理
年度末の退職者のアカウント停止・削除、PCの回収とデータ消去を行います。特にデータの取り扱いには注意が必要です。退職者のメールデータやファイルの保管ポリシーを事前に決めておき、人事・法務と連携して対応しましょう。
まとめ
ひとり情シスが「いつ、何をやるべきか」を見通せていると、突発業務が発生しても慌てずに対応できます。このカレンダーを自社の状況に合わせてカスタマイズし、Googleカレンダーやタスク管理ツールにリマインダーとして登録しておくことをお勧めします。
「計画的な管理をしたいけど、日々の業務で手一杯」という方は、定型業務のアウトソーシングも検討してみてください。コア業務に集中できる環境を整えることが、ひとり情シスの生産性を高める最も効果的な方法です。
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