「ひとり情シス」が本当につらい5つの瞬間と、その乗り越え方

「情シスって暇でしょ?」と言われた経験はありませんか。

ひとり情シスは、社内で唯一のIT専門職です。ネットワーク障害も、PCの不具合も、SaaSの選定も、セキュリティ対策も、すべて一人で対応しなければなりません。それなのに、ITが正常に動いている時は「何もしていないように見える」仕事でもあります。

本記事は、ひとり情シスとして日々奮闘されている方に向けて書いています。ITの現場支援をしている立場から、よくお聞きする「つらい瞬間」と、その現実的な乗り越え方をお伝えします。

1. 障害対応で休日・深夜に呼び出される

金曜の夜にVPNが繋がらなくなった。土曜の朝にメールが送れないと電話が来た。ひとり情シスには「オンコール体制」という概念がありません。IT担当者が自分しかいない以上、24時間365日、自分が対応するしかないからです。

乗り越え方:障害の一次切り分け手順を文書化する。 すべての障害に自分が対応しなければならない状況を変えるには、「自分以外の人でも初動対応ができる状態」を作ることが第一歩です。「ネットワークに繋がらない時はルーターを再起動する」「メールが送れない時はMicrosoftのサービス正常性を確認する」といった手順を文書化し、総務担当者や各部署のマネージャーに共有しておくだけで、深夜の電話はかなり減ります。

また、本当に緊急対応が必要なケースとそうでないケースの基準を明文化し、経営層と合意しておくことも重要です。「月曜日の対応で問題ないレベルの障害」で深夜に呼び出されることを防げます。

2. 経営層にITの重要性を理解してもらえない

「セキュリティ対策に投資したい」と提案しても「うちは狙われないから」と却下される。IT予算の増額を求めても「もう少し我慢してくれ」と先送りにされる。ITが「コストセンター」としか見られていない会社では、ひとり情シスが声を上げても経営層に届かないことがあります。

乗り越え方:「リスク」と「コスト」の言語で話す。 経営層は技術の詳細には興味がありませんが、「リスク」と「お金」の話には反応します。

「多要素認証を導入したい」ではなく、「ランサムウェアに感染した場合の平均被害額は中小企業でも数千万円。多要素認証を設定するだけで侵入リスクの99.9%を防げる。設定費用はゼロ円」と伝えましょう。

IPAが公表している「情報セキュリティ10大脅威」や、中小企業のセキュリティ被害事例を引用すると、説得力が増します。

3. 何でも屋になってしまう

プリンターの紙詰まり、Excelの使い方の質問、会議室のプロジェクターの接続、個人スマホのWi-Fi設定。本来の情シス業務とは言えない「便利屋」的な依頼が次々に舞い込み、戦略的な仕事に手をつけられない状態が続いていませんか。

乗り越え方:対応範囲を明文化する。 まず、自分が対応すべき業務と、対応範囲外の業務を明文化しましょう。「情シスが対応する業務一覧」をイントラネットや社内Wikiに掲載し、範囲外の依頼には「これは情シスの対応範囲外です」と伝えられる根拠を作ります。

すぐに範囲を絞るのが難しい場合は、対応した業務を記録し、月次で「情シス業務レポート」として経営層に提出する方法もあります。「今月の対応件数85件のうち、47件がプリンターやExcelの使い方に関する問い合わせでした」と可視化すれば、ヘルプデスクの外注やFAQの整備といった改善策を提案しやすくなります。

4. 相談できる相手がいない

技術的な判断に迷った時、ベンダーの提案内容が妥当か分からない時、セキュリティインシデントが発生した時。社内にITの専門知識を持つ人がいないため、すべてを自分一人で判断しなければなりません。この孤独感は、ひとり情シスが最もストレスを感じるポイントの一つです。

乗り越え方:社外のコミュニティに参加する。 同じ境遇のひとり情シス仲間と繋がれるコミュニティがあります。情シスSlack(Corp-engr.jp)やX(旧Twitter)の #ひとり情シス ハッシュタグは、技術的な相談や愚痴を共有できる場として活用されています。

また、月に1回でもITの専門家に壁打ちできる環境があるだけで、判断の質とスピードは大きく変わります。IT顧問やvCIO(仮想CIO)サービスの活用も選択肢の一つです。

5. 成果が見えにくく、評価されない

情シスの仕事は「問題が起きないこと」が最大の成果です。しかし「問題が起きなかった」ことは目に見えないため、社内で評価されにくいのが現実です。障害が発生すれば批判され、平穏な日々が続けば「何もしていない」と思われる。この構造的な評価の難しさに疲弊しているひとり情シスは少なくありません。

乗り越え方:成果を数字で可視化する。 評価されないのは、成果が見えないからです。以下のような指標を定期的にレポートすることで、情シスの貢献を可視化しましょう。

  • 月間の問い合わせ対応件数と平均対応時間
  • ブロックしたセキュリティ脅威の件数
  • SaaS最適化によるコスト削減額
  • 新入社員のキッティング完了率と所要時間
  • システム稼働率(障害による業務停止時間)

数字で語ることで、経営層の認識が「コストセンター」から「ビジネスの安定運用に不可欠な機能」に変わるきっかけになります。

一人で抱え込まないために

ひとり情シスの「つらさ」の根本原因は、本来チームで分担すべき業務を一人で背負っていることにあります。これを解決するには、正社員を増やすか、業務の一部を外部に委託するかのどちらかです。

人件費を考えると、中小企業がIT専任者をもう一人採用するのは現実的でないケースが多いです。その場合、ヘルプデスクやセキュリティ監視など負荷の高い業務を外注し、自分は社内でしかできない業務(経営層との調整、社内ルールの策定、ベンダーコントロール)に集中する、という役割分担が効果的です。

情シス365は、ひとり情シスの「もう一人のチームメンバー」として、日常運用からセキュリティ、IT戦略まで幅広くサポートしています。一人で抱え込む前に、まずはお気軽にご相談ください。

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