ISMS認証は中小企業に必要か? ― 取得のメリット・費用・期間と代替手段を解説

「取引先からISMS認証を取得していますか?と聞かれた」「入札の参加要件にISMSが含まれていた」——中小企業がISMS認証を検討するきっかけは、多くの場合こうした外部からの要請です。

しかし、ISMSの取得には少なくない費用と工数がかかります。本記事では、中小企業がISMS認証を取得すべきかどうかの判断基準と、取得しない場合の代替手段を解説します。

ISMSとPマークの違い

項目ISMS(ISO 27001)Pマーク(プライバシーマーク)
対象情報セキュリティ全般個人情報保護
規格国際規格(ISO/IEC 27001)日本独自の認定制度(JIS Q 15001)
適用範囲組織全体または特定部門を選択可能組織全体が対象
審査機関認証機関(BSI、JACO、DNV等)JIPDEC指定の審査機関
有効期間3年(年次のサーベイランス審査あり)2年(更新審査あり)
費用感100〜300万円(初回取得)50〜150万円(初回取得)
国際的な認知度高い日本国内のみ

どちらを取るべきか: 取引先からの要件が特定されている場合はそれに従います。特定されていない場合、個人情報を大量に取り扱うビジネスであればPマーク、ITサービスやシステム開発を提供するビジネスであればISMSが適しています。

ISMS取得のメリット

取引先からの信頼獲得。 特に大企業との取引や官公庁の入札において、ISMSの取得が評価されるケースが増えています。

セキュリティ体制の網羅的な整備。 ISMS取得のプロセスを通じて、自社のセキュリティリスクを体系的に洗い出し、対策を講じることになります。認証そのものよりも、このプロセスに価値があります。

インシデント対応力の向上。 ISMS認証の維持には、年次のサーベイランス審査やPDCAサイクルの運用が求められるため、セキュリティ体制が形骸化しにくくなります。

ISMS取得の費用と期間

費用の内訳

費目費用目安(従業員50〜100名)
コンサルティング費用80〜200万円
審査費用(初回)50〜100万円
内部監査員研修5〜15万円
ツール・システム導入(台帳等)0〜30万円
合計(初回取得)135〜345万円
年次維持費用(サーベイランス審査+運用)30〜80万円/年

期間の目安

コンサルタントの支援を受ける場合、着手から認証取得まで6〜12ヶ月が一般的です。

ISMS認証を取得しない場合の代替手段

ISMSの取得が「必須」ではなく、自社のセキュリティ体制を実質的に向上させたい場合は、以下の代替手段で同等以上の効果が得られます。

セキュリティポリシーの策定。 ISMSの要求事項を参考にしつつ、自社に必要な範囲でセキュリティポリシーを策定・運用する。認証審査の費用をかけずに、実質的なセキュリティレベルを向上させられます。

IPA「中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン」の活用。 IPAが無料で公開しているガイドラインに従って、自社のセキュリティ対策を段階的に進める方法です。ガイドラインには「SECURITY ACTION(一つ星・二つ星)」という自己宣言制度もあり、取引先に対してセキュリティへの取り組みを示すことができます。

SOC 2 Type IIレポートの取得。 ITサービスを提供する企業向け。ISMSよりも技術的な統制に重点を置いた認証で、特にSaaS企業やクラウドサービス提供者に適しています。

まとめ

ISMS認証は「取る価値がある認証」ですが、中小企業にとっては費用と工数の負担が大きいのも事実です。取引先から明確に求められている場合は取得を進めるべきですが、そうでない場合は、認証取得にかけるリソースを実質的なセキュリティ対策の強化に充てる方が合理的なケースも多いです。

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