情シスの外注、何を任せられる?アウトソーシングの範囲と費用相場
「情シス業務を外注したいけど、何をどこまで任せられるのか分からない」
これは、中小企業の経営者やIT担当者からいただく相談で最も多いものの一つです。情シスの外注(アウトソーシング)と一口に言っても、任せられる業務の範囲は幅広く、費用感もピンキリです。
本記事では、情シスのアウトソーシングで外注できる業務の範囲を体系的に整理し、それぞれの費用相場と、業者を選ぶ際のポイントをまとめました。
外注できる情シス業務の全体像
情シスの業務は、大きく「日常運用」「セキュリティ」「戦略・企画」「プロジェクト」の4領域に分けられます。
日常運用(最も外注ニーズが高い)
- ヘルプデスク(社員からのIT問い合わせ対応)
- アカウント管理(入退社時の発行・削除・権限変更)
- 端末キッティング(新規PCの初期設定)
- 端末管理(台帳管理、故障対応、リース管理)
- ライセンス管理(SaaS・ソフトウェアの棚卸し・更新管理)
- バックアップの設定・監視
セキュリティ
- ログ監視・アラート対応
- セキュリティポリシーの策定・更新
- インシデント一次対応
- 脆弱性診断
- セキュリティ研修の実施
戦略・企画
- ITロードマップの策定
- ITコスト分析・最適化
- ベンダー選定・管理
- 経営会議向けIT報告資料の作成
プロジェクト
- クラウド移行(Microsoft 365、Google Workspace等)
- MDM導入(Intune、Jamf等)
- 認証基盤の構築(SSO、MFA等)
- M&A後のIT環境統合(IT PMI)
- オフィス移転に伴うIT対応
業務別の費用相場
ヘルプデスク代行
社員からのIT問い合わせを外部のプロが対応するサービスです。
| 規模 | 月額相場 | 内容 |
|---|---|---|
| 〜30名 | 5〜15万円 | メール・チャットでの問い合わせ対応、月20〜30件程度 |
| 30〜100名 | 15〜30万円 | 上記に加えて電話対応、月50〜100件程度 |
| 100〜300名 | 30〜60万円 | 専任担当者をアサイン、月100件以上対応 |
問い合わせの対応チャネル(メールのみ / チャット込み / 電話込み)や、対応時間帯(平日日中 / 24時間365日)によって費用が大きく変わります。中小企業であれば、平日日中のメール・チャット対応で十分なケースがほとんどです。
アカウント管理・キッティング
| 業務 | 費用相場 |
|---|---|
| アカウント発行/削除(1件) | 3,000〜5,000円 |
| PCキッティング(1台) | 10,000〜30,000円 |
| 端末管理台帳の運用 | 月額2〜5万円 |
キッティングは、手作業での設定か、Autopilot等を使った自動化済みの環境かで単価が大きく異なります。自動化環境を構築すれば、長期的なコスト削減になります。
セキュリティ運用
| サービス | 月額相場 |
|---|---|
| ログ監視・アラート対応(SOCライト) | 10〜30万円 |
| セキュリティポリシー策定(スポット) | 30〜50万円 |
| 脆弱性診断(スポット) | 20〜100万円 |
| セキュリティ研修(年1回) | 10〜30万円 |
大企業向けのフルSOCサービスは月額100万円以上が一般的ですが、中小企業向けに必要十分なレベルに絞った「SOCライト」サービスであれば、月額10〜30万円程度で導入できます。
IT戦略コンサルティング
| サービス | 費用相場 |
|---|---|
| ITロードマップ策定(スポット) | 50〜150万円 |
| IT顧問(月次) | 10〜30万円 |
| コスト最適化コンサル(スポット) | 30〜80万円 |
月額契約のIT顧問は、定例ミーティングでのIT相談、ベンダー選定のアドバイス、IT投資判断の支援などを含むケースが多いです。
ITプロジェクト
| プロジェクト | 費用相場 |
|---|---|
| Microsoft 365移行 | 100〜500万円 |
| MDM導入 | 50〜200万円 |
| M&A後のIT統合(IT PMI) | 200〜1,000万円 |
プロジェクトの費用は、対象のユーザー数、移行元の環境の複雑さ、要件の難易度によって大きく変動します。
外注先の選び方
大手SIer vs 中小特化型
大手SIerは信頼性が高い反面、中小企業には過剰なスペックと費用になりがちです。従業員300名以下の企業であれば、中小企業のIT環境を理解している専門業者の方がフィットすることが多いです。
チェックすべきポイント
対応チャネル。 自社が普段使っているツール(Slack、Teams、メール)でそのまま連絡できるか。専用のポータルサイトからしか問い合わせできない業者は、現場の利便性が下がります。
レポーティング。 週次・月次で対応状況のレポートを提出してくれるか。「何をやってくれているのか見えない」状態では、外注の費用対効果を判断できません。
スコープの柔軟性。 「ヘルプデスクだけ」「セキュリティだけ」のような部分的な依頼にも対応できるか。パッケージプランしかない業者だと、不要なサービスにも費用を支払うことになります。
エスカレーション体制。 自社では対応できない高度な技術課題が発生した時に、専門家にエスカレーションできる体制があるか。
外注を成功させるコツ
まずは一部の業務から始める。 いきなり全業務を外注するのではなく、最も負荷が高い業務(多くの場合はヘルプデスク)から始めて、信頼関係を構築した上で範囲を広げていくのが成功の王道です。
社内のIT資産を棚卸ししておく。 外注先に引き継ぐためには、現状のIT環境の全体像が整理されている必要があります。管理者アカウント一覧、SaaS一覧、ネットワーク構成図の3点だけでも事前に整理しておくと、スムーズに始められます。
「丸投げ」ではなく「パートナー」として付き合う。 外注先にすべてを任せきりにするのではなく、定期的なミーティングで状況を共有し、改善点をフィードバックし合える関係を築くことが重要です。
まとめ
情シスのアウトソーシングは、「全部任せるか、全部自分でやるか」の二択ではありません。自社のIT課題と予算に応じて、外注する範囲を柔軟に設計できます。
まずは最も負担になっている業務を特定し、その業務だけでも外注してみることをおすすめします。月額5〜15万円のヘルプデスク代行から始めれば、IT担当者が本来やるべき戦略的な業務に時間を割けるようになります。
情シス365では、Support365(情シス運用代行・ヘルプデスク)を中心に、5つのサービスラインで中小企業の情シス業務を柔軟にサポートしています。「まずは相談したい」「自社に合うプランを知りたい」という方は、無料ヒアリングからお気軽にどうぞ。