【2026年版】MDM製品比較 ― 中小企業が選ぶべきモバイルデバイス管理ツール5選

社員にスマートフォンやタブレットを配布している企業にとって、MDM(Mobile Device Management)は必須のセキュリティ基盤です。端末の紛失・盗難時のリモートワイプ、業務アプリの一括配布、セキュリティポリシーの強制適用――これらを実現するMDM製品は数多く存在しますが、中小企業にとって「どれを選べば正解なのか」は悩ましい問題です。

この記事では、中小企業のIT担当者が実際に比較検討する主要5製品を、コスト、機能、運用のしやすさの観点から整理します。

MDM選定の前に確認すべき3つのポイント

1. 管理対象のOS構成

自社で使用しているデバイスのOS構成を棚卸ししてください。Windows PC、Mac、iPhone/iPad、Androidが混在しているのか、特定のOSに統一されているのかで最適な製品が変わります。

2. 既存のクラウドサービスとの連携

Microsoft 365を利用中であれば、Intuneとの親和性は圧倒的です。逆にGoogle Workspaceが主体であれば、Google独自のエンドポイント管理機能も選択肢に入ります。

3. MDMだけで済むのか、UEM(統合エンドポイント管理)が必要か

スマートフォン・タブレットだけを管理したいのか、PCも含めて一元管理したいのかで、製品カテゴリが異なります。現在はPCも含めたUEM(Unified Endpoint Management)へ移行する流れが主流です。

主要5製品の比較

Microsoft Intune

提供元: Microsoft 対応OS: Windows / macOS / iOS / Android

価格体系: Microsoft 365 Business Premium(月額2,750円/ユーザー)に含まれます。Intune単体プランはPlan 1が月額1,120円/ユーザー、Plan 2が月額560円/ユーザー(Plan 1の追加オプション)です。

強み: Microsoft 365との統合がIntuneの最大のメリットです。条件付きアクセスと連携して「Intuneに登録されたデバイスからのみMicrosoft 365にアクセスを許可」といったポリシーを設定できます。Windows Autopilotによるゼロタッチキッティング、Windows Updateの配信制御、アプリ保護ポリシー(MAM)など、PCとモバイルを1つのコンソールで管理できるUEMとしての完成度が高い製品です。

注意点: 管理コンソール(Intune管理センター)は機能が非常に多いため、初期設定のハードルが高めです。Microsoft 365をまだ導入していない企業にとっては、Intune単体での導入メリットは限定的です。日本語のドキュメントは充実していますが、設定項目の多さから「何をどう設定すべきか」で迷うケースが多く見られます。

こんな企業におすすめ: Microsoft 365を既に利用している、またはこれから導入する予定がある企業。Windows PCとiOS/Androidデバイスを一元管理したい企業。

CLOMO MDM

提供元: アイキューブドシステムズ 対応OS: iOS / Android / Windows / macOS

価格体系: デバイス課金制で、初期費用は個別見積もり。月額は1デバイスあたり300円〜(プランにより変動)。

強み: 国内MDM市場で長年にわたりシェアNo.1を維持している製品です。管理コンソールのUIが直感的で見やすく、MDM運用が初めての担当者でも比較的短期間で操作に慣れることができます。日本語サポートの品質が高く、電話・メールでの問い合わせ対応の評判が良い点も、少人数体制の情シスにとっては心強いポイントです。紛失時のリモートロック・ワイプ、電子証明書管理、位置情報取得など、モバイルデバイス管理に必要な機能が一通り揃っています。

注意点: PC(Windows / macOS)の管理機能はIntuneやLANSCOPEと比較すると限定的です。MDMとしての基本機能は充実していますが、PC操作ログの取得やソフトウェア配布といったIT資産管理の領域はカバーしきれません。モバイルデバイス管理に特化して使うのが最も効果的です。

こんな企業におすすめ: iPhoneやiPadを多数配布しており、モバイルデバイスの管理を最優先で整備したい企業。日本語サポートの手厚さを重視する企業。

LANSCOPE エンドポイントマネージャー クラウド版

提供元: エムオーテックス(MOTEX) 対応OS: Windows / macOS / iOS / Android

価格体系: 1台あたり月額300円〜。初期費用はプランにより異なります(プランI:6,800円/台、プランII:30,000円/社)。

強み: IT資産管理とMDMの機能を1つの製品で提供しているのが最大の特徴です。PCのハードウェア・ソフトウェア情報の自動収集、操作ログの取得、スマートフォンのMDM管理、さらにはAIアンチウイルス(CylancePROTECTベース)までをワンストップで提供します。20,000社以上の導入実績があり、上場企業の4社に1社が採用しているという実績は信頼の証です。Apple Business Manager(ABM)やAndroid Enterpriseとの連携にも対応しています。

注意点: 機能が多い分、全機能を使いこなすには一定の学習コストがかかります。また、オンプレミス版とクラウド版で機能差があるため、どちらを選ぶかの判断が必要です。クラウド版はサーバー構築不要で導入しやすい一方、操作ログの種類がオンプレミス版より限定される場合があります。

こんな企業におすすめ: IT資産管理とMDMを1つの製品でまとめたい企業。PC管理とモバイル管理を一元化したい企業。

Optimal Biz

提供元: オプティム 対応OS: iOS / Android / Windows / macOS

価格体系: 1デバイスあたり月額300円〜。初期費用は個別見積もり。

強み: 国内企業向けに開発されたMDMで、日本のビジネス環境に最適化された機能設計が特徴です。管理コンソールが分かりやすく、少ないクリック数でデバイスの状態確認やポリシー適用が可能です。大規模導入の実績も豊富で、自治体や教育機関での採用例も多数あります。キッティングの自動化機能や、デバイスの利用状況レポート機能も充実しています。

注意点: Windows PCの管理機能はモバイルデバイスと比較すると限定的です。UEMとしてPC管理まで本格的に行いたい場合は、別途IT資産管理ツールとの併用が必要になるケースがあります。

こんな企業におすすめ: スマートフォンやタブレットの大量配布を計画している企業。自治体・教育機関・医療機関など、国内実績の豊富さを重視する企業。

Jamf Pro

提供元: Jamf 対応OS: macOS / iOS / iPadOS / tvOS

価格体系: 1デバイスあたり月額約500円〜(プランにより変動)。

強み: Apple製品に特化したMDM/UEMとして、世界的にデファクトスタンダードの地位を確立しています。macOS、iOS、iPadOSの管理においては、他のどの製品よりもきめ細かい制御が可能です。Apple Business Managerとの統合度が高く、Automated Device Enrollment(旧DEP)によるゼロタッチ導入が非常にスムーズです。macOSのセキュリティ設定やアプリ配布についても、Apple固有の機能をフル活用した管理ができます。

注意点: WindowsやAndroidの管理はサポート外(または非常に限定的)です。Apple以外のデバイスが混在する環境では、別のMDMとの併用が必要になります。価格帯も他の国産MDMと比較するとやや高めです。

こんな企業におすすめ: 社内デバイスがMac / iPhone / iPadで統一されている企業。デザイン・映像・開発など、Apple製品が業務の中心となっている企業。

中小企業向け:製品選定の早見表

Microsoft 365を利用中 → Microsoft Intuneが第一候補。Business Premiumに含まれるため追加コストなし。PC+モバイルのUEM管理が可能。

iPhoneの管理が最優先 → CLOMO MDMが有力。国内サポートの手厚さとiOS管理の完成度が高い。

IT資産管理もまとめて → LANSCOPE クラウド版。PC管理からモバイルMDMまで1製品で完結。

Apple製品で統一 → Jamf Pro一択。macOS / iOSの管理においては他の追随を許さない。

大量モバイル配布 → Optimal Biz。キッティング自動化と国内大規模導入の実績。

情シス365の推奨:Microsoft 365 Business Premium + Intune

中小企業にとって最もコストパフォーマンスが高い選択肢は、Microsoft 365 Business Premiumへのアップグレードです。Intuneに加えて、Defender for Business(EDR)、条件付きアクセス、Azure Information Protection(情報保護)が含まれており、1ユーザーあたり月額2,750円でセキュリティ基盤がほぼ完成します。

ただし、Intuneの初期設定には専門知識が必要です。「設定項目が多すぎて何から手をつければよいか分からない」という声は非常に多く、ここでつまずいて機能を活かしきれていない企業が少なくありません。

情シス365では、Microsoft Intuneの導入設計から初期セットアップ、運用定着までをワンストップで支援しています。Autopilotの設定、条件付きアクセスの設計、コンプライアンスポリシーの最適化まで、無料相談からお気軽にお問い合わせください。

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