入退社時のIT手続きを自動化 ― Power Automateで情シスの定型業務を半減させる方法
「来週入社する人のアカウント作ってください」「今日退職する人のメール止めてください」― こうしたリクエストが突発的に飛んでくるのが、情シスの日常です。
入退社のIT手続きは、手順自体は決まっているのに毎回手作業で行っている企業が大半です。Power Automateを使えば、これらの定型業務を大幅に自動化できます。
入退社IT手続きの典型的な作業
入社時
Microsoft 365アカウントの作成、メールアドレスの発行、所属グループへの追加、ライセンスの割り当て、PCのキッティング指示、各種SaaSへのアカウント作成、内線番号の割り当て、ICカードの発行依頼、ウェルカムメールの送信といった一連の作業があります。
退社時
Microsoft 365アカウントの無効化、メールの転送設定、共有フォルダのアクセス権削除、各種SaaSアカウントの削除、PCの回収とデータ消去、ICカードの回収、退社完了報告といった作業が必要です。
これらを毎回手動で行い、チェックリストで漏れがないか確認する ― この作業を月に数回繰り返しているのが現実です。
Power Automateで自動化する仕組み
フロー全体の設計
人事部門がSharePointリストまたはFormsに入退社情報を入力すると、Power Automateのフローが自動的にトリガーされます。フローはMicrosoft Graph APIを通じてEntra ID上のアカウント操作を実行し、完了通知を情シス担当者と人事部門に送信します。
入社フローの自動化例
SharePointリストに新入社員の情報(氏名、入社日、部署、役職)が登録されると、Power Automateが以下の処理を自動実行します。
- Entra IDにユーザーアカウントを作成
- 部署に対応するセキュリティグループに追加
- Microsoft 365ライセンスを割り当て
- 初期パスワードを生成し、上長にメールで通知
- PCキッティングのタスクをPlannerに自動作成
- IT部門のTeamsチャネルに通知を投稿
退社フローの自動化例
退職予定者の情報がSharePointリストに登録されると、退職日の前営業日に以下の処理が自動実行されます。
- アカウントのサインインをブロック
- メールの転送設定(上長宛)
- 共有メールボックスからの削除
- OneDriveデータのアクセス権を上長に移管
- PC回収タスクをPlannerに作成
- 退社処理完了をTeamsに通知
導入のステップ
ステップ1: 現在の手順を文書化する
まず、入退社時に行っている作業を一覧化し、自動化可能な部分と手作業が必要な部分を仕分けます。
ステップ2: SharePointリストを作成する
入退社情報を管理するSharePointリストを作成します。必要な列は、氏名、入社/退社日、部署、役職、メールアドレス、ステータス(申請中/処理中/完了)などです。
ステップ3: Power Automateフローを構築する
SharePointリストの新規登録をトリガーにしたフローを構築します。Microsoft Graph APIとの連携にはプレミアムコネクタが必要な場合があります。
ステップ4: テスト・改善
テスト用のアカウントで動作確認を行い、エラーハンドリングや例外処理を追加します。
自動化による効果
入退社IT手続きの自動化により、1件あたりの作業時間を2時間から30分程度に短縮できます。月に5件の入退社があれば、月間7.5時間の工数削減です。さらに、手順の漏れや遅延がなくなることで、セキュリティリスクの低減と、新入社員の初日からの生産性向上にもつながります。
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