情シスアウトソーシングを始める前に社内で準備しておくべきこと
情シスアウトソーシングの導入を決めたあと、「じゃあ来月からお願いします」とすぐに始められるかというと、そうでもありません。
外注先に適切なサービスを提供してもらうためには、社内側の準備が重要です。準備が不十分なまま始めると、引き継ぎに時間がかかり、期待した効果が出るまでに余計な時間とコストがかかります。
本記事では、情シスアウトソーシングを始める前に社内で準備しておくべきことを解説します。
準備1:管理者アカウント情報の整理
外注先がIT環境を管理するためには、各種サービスの管理者アカウントが必要です。以下の情報を整理しておきましょう。
- Microsoft 365 / Google Workspace:グローバル管理者のアカウントとパスワード
- ドメイン管理:お名前.comやRoute53などのDNS管理画面へのアクセス情報
- ネットワーク機器:ルーター、ファイアウォール、UTMの管理者ID/パスワード
- セキュリティソフト:管理コンソールへのアクセス情報
- その他SaaS:管理者権限を持つアカウントの一覧
「パスワードが分からない」「誰が管理者か分からない」という状態の場合は、その旨を外注先に伝えれば、環境調査から始めてもらうことが可能です。
準備2:社内の窓口担当者を決める
外注先とのやり取りを担う社内側の窓口を1名決めてください。IT知識は不要です。必要なのは以下の3つの役割です。
① 情報の橋渡し
入退社情報、組織変更の予定、新しいツールの導入希望など、外注先に共有すべき社内の情報を伝える役割です。人事や総務の担当者が兼任するケースが多いです。
② 判断のエスカレーション
外注先から「この設定を変更してよいか」「このコストをかけてよいか」といった確認が来た際に、社内で判断する(または経営者に確認する)役割です。
③ 社員からの一次受付(任意)
社員からのIT問い合わせを外注先に直接つなげる場合は不要ですが、一度社内で受けてから外注先に依頼する運用にする場合は、この役割も必要です。
準備3:現状のIT環境を「分かる範囲で」書き出す
完璧な資料を用意する必要はありません。分かる範囲で以下の情報を書き出しておくと、外注先とのヒアリングがスムーズになります。
- 社員数(正社員、パート、業務委託の内訳)
- 利用中のクラウドサービス(Microsoft 365、Google Workspace、Slack、Zoom、会計ソフトなど)
- PCの台数とOS(Windows / Mac)
- オフィスの拠点数
- ネットワーク構成(分かれば):VPNの有無、WiFiの構成、インターネット回線
- 現在のIT担当者の有無と業務内容
「全然分からない」でも大丈夫です。良い外注先であれば、ヒアリングの中で一緒に整理してくれます。
準備4:「困っていること」のリストアップ
抽象的でも構わないので、ITに関して困っていること、不安に思っていることを箇条書きにしておいてください。
例:
- PCが壊れたとき、誰に聞けばいいか分からない
- 退職者のアカウントが残っていると思うが確認できない
- セキュリティ対策が何もできていなくて不安
- 新しく入る人のPC準備に毎回困る
- SaaSの契約がバラバラで全体像が見えない
この「困りごとリスト」が、外注先が最初に取り組むべき課題の優先順位付けに直結します。
準備5:予算感の確認
「月額いくらまで出せるか」の目安を社内で確認しておきましょう。
情シスアウトソーシングの費用相場は、対応範囲によって月額15万〜50万円程度です。予算感を事前に共有することで、外注先もそれに合った提案を行いやすくなります。
「予算が分からない」場合は、現在IT関連で支払っている費用(SaaS月額、機器リース、スポットでの外注費など)を集計してみてください。その数字が「現状のIT投資額」の参考になります。
準備6:期待する成果のイメージ
「アウトソーシングを導入したら、どうなっていてほしいか」のイメージを持っておくと、導入後の満足度が高まります。
例:
- 社員がITで困ったとき、Slackで聞けば翌日までに回答がもらえる状態
- セキュリティの状態を月次レポートで把握できる状態
- 入退社のたびに経営者がPC設定に時間を取られない状態
具体的であるほど、外注先との期待値のすり合わせがしやすくなります。
準備が不十分でも始められる
ここまで「準備すべきこと」を挙げましたが、実際にはすべてが揃っていなくても導入は可能です。
情シス365のStart365は、まさに「IT環境の全体像が把握できていない」状態からスタートするためのサービスです。現状調査と環境の可視化からはじめ、管理基盤を構築した上で運用に移行します。
「何も分からないけど、とにかく今の状態をなんとかしたい」——そのお気持ちだけで十分です。