SLA(サービスレベルアグリーメント)とは?情シスアウトソーシングで確認すべきポイント

情シスのアウトソーシングを検討していると、「SLA」という言葉が必ず出てきます。SaaS製品の契約書にも登場します。なんとなく「サービス品質の約束」くらいの理解で済ませている方も多いですが、SLAの内容を理解せずに契約すると、トラブル発生時に「思っていた対応と違う」という事態になりかねません。

SLAとは何か

SLA(Service Level Agreement:サービスレベルアグリーメント)とは、サービス提供者と利用者の間で取り交わす、サービスの品質水準に関する合意書です。「どのレベルのサービスを、どの条件で提供するか」を具体的な数値や基準で定めます。

身近な例で言えば、宅配便の「翌日配送保証」がSLAの一種です。「翌日に届ける」という品質水準を約束し、届かなかった場合は返金するという取り決めがSLAに相当します。

IT分野では、クラウドサービスの稼働率保証、ヘルプデスクの応答時間、障害復旧までの目標時間などがSLAとして定められます。

SLAでよく使われる指標

稼働率(Availability)

サービスが正常に利用できる時間の割合です。

稼働率年間ダウンタイム月間ダウンタイム
99.9%(スリーナイン)約8時間45分約43分
99.95%約4時間23分約22分
99.99%(フォーナイン)約52分約4分

Microsoft 365やGoogle Workspaceは99.9%の稼働率をSLAで保証しています。「99.9%」と聞くとほぼ完璧に思えますが、年間で約8時間45分のダウンタイムが許容範囲ということです。

応答時間(Response Time)

問い合わせや障害報告に対して、最初の応答を返すまでの時間です。「応答」は問題の解決ではなく、受付の確認を意味する場合が多い点に注意が必要です。

情シスアウトソーシングのSLAでは、障害の重要度に応じて応答時間が段階的に設定されるのが一般的です。

重要度定義例応答時間目安
緊急(P1)業務全体が停止する障害30分〜1時間
高(P2)一部業務に影響のある障害2〜4時間
中(P3)代替手段がある障害翌営業日
低(P4)質問・要望2〜3営業日

解決時間(Resolution Time)

問題を実際に解決するまでの目標時間です。応答時間とは別に設定され、こちらの方が実質的なサービス品質を反映します。

対応時間帯

「24時間365日対応」なのか「平日9:00〜18:00」なのかは、コストに直結する重要な項目です。中小企業の場合、平日日中のみの対応で十分なケースが多いですが、ECサイトを運営している場合や、海外拠点がある場合は営業時間外の対応が必要になることがあります。

情シスアウトソーシング契約で確認すべき5つのSLA項目

1. ヘルプデスクの応答時間と解決時間

「電話をしたらすぐ対応してもらえるのか」は最もよく聞かれるポイントです。応答時間(受付確認まで)と解決時間(実際の対処完了まで)は別の指標であることを理解した上で、両方について確認しましょう。

2. 障害対応の重要度分類と対応フロー

何が「緊急」で何が「通常」に分類されるのか。分類の基準が明確でないと、「こちらは緊急のつもりだが、相手は通常対応で処理する」というすれ違いが起きます。

3. 対応時間帯と対応チャネル

電話・メール・チャットのどれで問い合わせ可能か、対応可能な時間帯はいつか。メール対応のみで電話が使えない場合、緊急時に困る可能性があります。

4. 月次レポートの内容と頻度

対応件数、対応時間の実績、未解決案件の一覧など、SLAの達成状況を定期的にレポートで確認できるかどうか。レポートがなければ、SLAが守られているかを検証する手段がありません。

5. SLA未達時のペナルティまたは是正措置

SLAを下回った場合に、料金の減額や是正計画の提出が定められているか。ペナルティがないSLAは「努力目標」に過ぎません。

SaaSサービスのSLAで確認すべきこと

SaaSサービスのSLAは、一般的に以下の点に注意が必要です。

稼働率の計算方法。 何を「ダウンタイム」としてカウントするかの定義はサービスによって異なります。計画メンテナンスが除外されている場合、実質的な稼働率は表示より低くなります。

SLA違反時の補償内容。 多くのクラウドサービスでは、SLA違反時にサービスクレジット(次月の利用料からの割引)が提供されますが、損害賠償を保証しているわけではありません。

データの可用性とバックアップ。 サービスの稼働率SLAは「サービスにアクセスできること」の保証であり、「データが消失しないこと」の保証とは異なります。

SLAとSLO・SLIの違い

SLAと似た用語として、SLO(Service Level Objective)とSLI(Service Level Indicator)があります。

**SLI(指標)**は、実際に計測された数値です。例:今月の稼働率は99.95%だった。

**SLO(目標)**は、社内で設定する品質目標です。例:稼働率99.9%以上を維持する。

**SLA(合意)**は、顧客との間で交わす正式な約束です。例:稼働率99.9%を保証し、未達の場合はサービスクレジットを発行する。

つまり、SLIで計測し、SLOで目標を立て、SLAで顧客と約束する、という関係です。

まとめ

SLAは「なんとなく」で済ませず、具体的な項目と数値を確認することが重要です。特に情シスアウトソーシングの契約では、応答時間・解決時間・対応時間帯・レポート・ペナルティの5項目を必ず確認しましょう。SLAが曖昧な委託先は、サービス品質も曖昧になりがちです。

情シス365では、SLAを明確に定義した上で情シスアウトソーシングサービスを提供しています。詳細はサービス・料金ページをご覧いただくか、お問い合わせよりお気軽にご相談ください。

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