SharePoint PremiumとSharePoint Advanced Managementの違い ― 何が追加され、どんな企業に必要か
SharePointの上位機能として「SharePoint Premium」と「SharePoint Advanced Management(SAM)」の2つの名前を目にする機会が増えました。名前が似ていますが、まったく異なる機能セットです。
SharePoint PremiumはAIを活用したコンテンツ処理(文書の自動分類、メタデータ抽出、eSignatureなど)、**SharePoint Advanced Management(SAM)**はサイトのガバナンスとアクセス管理の強化(サイトアクセスレビュー、データアクセスガバナンスレポート、変更管理など)です。
SharePoint Premium とは
SharePoint Premiumは、旧「Microsoft Syntex」から発展したAIベースのコンテンツ処理プラットフォームです。
主な機能:
- ドキュメント処理(AI Builder連携): 請求書、契約書、領収書などから情報を自動抽出し、メタデータとしてSharePointの列に格納
- コンテンツの自動分類: AIがドキュメントの内容を分析し、適切な分類ラベルやメタデータを自動付与
- eSignature: SharePoint上のドキュメントに電子署名を依頼する機能(Adobe Acrobat Sign、DocuSign連携)
- コンテンツ検索の高度化: セマンティック検索による高精度なドキュメント検索
- 画像のタグ付け: 画像ファイルの内容をAIが認識し、検索可能なタグを自動付与
- 翻訳: ドキュメントの自動翻訳
ライセンス: 従量課金制(Paygo)。処理したドキュメント数に応じて課金されます。一部機能はMicrosoft 365 E5に含まれる場合があります。
SharePoint Advanced Management(SAM)とは
SAMは、SharePoint Onlineの管理・ガバナンス機能を拡張するアドオンです。大規模なSharePoint環境を安全かつ効率的に管理するための機能が中心です。
主な機能:
- サイトアクセスレビュー: 各サイトの共有状況を棚卸しし、不要な外部共有を検出
- データアクセスガバナンスレポート: 過剰共有(Oversharing)のリスクがあるサイトを自動検出し、レポート
- サイトライフサイクルポリシー: 非アクティブなサイトを自動検出し、所有者に確認通知を送信。一定期間応答がなければアーカイブ
- 変更管理(Change Management): サイトの設定変更をポリシーで制御
- 条件付きアクセスポリシーのサイト単位適用: 特定のSharePointサイトに対して、通常とは異なる条件付きアクセスポリシーを適用
- 制限付きアクセスコントロール(RAC): サイトへのアクセスを特定のセキュリティグループに限定
ライセンス: Microsoft SharePoint Advanced Management アドオン(月額約450円/ユーザー)。Microsoft 365 E5には含まれません。
比較
| 観点 | SharePoint Premium | SharePoint Advanced Management |
|---|---|---|
| 主な目的 | コンテンツ処理・AI活用 | ガバナンス・アクセス管理 |
| 代表的な機能 | 文書の自動分類、メタデータ抽出 | サイトアクセスレビュー、過剰共有検出 |
| 対象ユーザー | コンテンツ管理者、ナレッジ管理者 | IT管理者、コンプライアンス担当者 |
| 課金モデル | 従量課金 | ユーザー単位月額 |
| M365 E5に含まれるか | 一部機能のみ | 含まれない |
中小企業にとっての必要性
SharePoint Premium: 契約書や請求書の処理を大量に行う企業(法務部門、経理部門)や、ドキュメントの自動分類によるナレッジ管理を本格化したい企業に有効です。ただし、中小企業では手動でのメタデータ管理やPower Automateでの自動化で十分なケースが多く、優先度は高くありません。
SAM: SharePointサイトが数十〜数百規模になり、外部共有の管理やサイトの棚卸しが手動では追いつかない場合に有効です。従業員50名以下の中小企業では、SharePointサイト数が限られるため、標準の管理機能で十分対応できます。
どちらも「あれば便利だが、中小企業が最初に投資すべき領域ではない」というのが率直な評価です。まずはSharePoint Onlineの標準機能を使いこなし、管理の限界を感じた段階で検討してください。
情シス365では、SharePoint Onlineの設計・運用支援を行っています。お気軽にご相談ください。