Google Workspace Business vs Enterprise|プラン選定ガイド
価格について(2026年8月11日時点): 本記事の価格はGoogle Workspaceの年間契約・月額換算・税別表示です。プラン構成と価格は変更されることがあるため、契約前にGoogle Workspace公式サイトで最新の情報をご確認ください。
GWSのプランはどう選ぶべきか
Google Workspaceは、Business Starter、Business Standard、Business Plus、Enterprise Standardの4つの主要プランがあります。中小企業が選ぶべきプランは、多くの場合Business StandardまたはBusiness Plusです。
判断の軸は「ストレージ容量」「セキュリティ機能」「コンプライアンス要件」の3つです。順に見ていきます。
プラン別の主な違い
| Starter | Standard | Plus | |
|---|---|---|---|
| 月額(税別) | 800円 | 1,600円 | 2,500円 |
| ストレージ | 30GB/ユーザー | 2TB/ユーザー | 5TB/ユーザー |
| Meet録画 | なし | あり | あり |
| Meet参加人数 | 100名 | 150名 | 500名 |
| 共有ドライブ | なし | あり | あり |
| Google Vault | なし | なし | あり |
| エンドポイント管理 | 基本 | 基本 | 高度 |
Business Starter(月額800円)
ストレージ30GB/ユーザー、メール・Drive・Meet・Chatの基本機能のみです。30名以下の小規模チームで、ファイルの共有量が少ない場合に適しています。
注意点は、共有ドライブが使えないことです。ファイルがすべて個人のマイドライブに保存されるため、退職者が出るとその人のファイルへのアクセスが失われるリスクがあります。この1点だけでも、企業利用ではStandard以上を選ぶ理由になります。
また30GBはメールとファイルの合算です。添付ファイルの多いメール運用をしていると、数年で上限に達します。
Business Standard(月額1,600円)
ストレージ2TB/ユーザーに増え、共有ドライブ、Meetの録画、Gemini・NotebookLMなどのAI機能が使えます。最も多くの中小企業に適したプランです。
共有ドライブが使えることの意味は大きく、「ファイルの所有者が個人ではなくチームになる」ため、退職時のファイル引き継ぎ問題が構造的に解消されます。
Business Plus(月額2,500円)
ストレージ5TB/ユーザーに加え、Google Vault(データの保持・検索・書き出し)と高度なエンドポイント管理が追加されます。Meetの参加人数も500名まで拡大します。
Vaultは、訴訟対応や監査で「特定期間のメールをすべて保全・提出する」必要がある場合に使います。金融・医療・士業など、記録の保持義務がある業種では実質的に必須です。
Enterprise Standard
Business系プランの上限(300ユーザー)を超える組織、または300名未満でも高度な要件がある組織向けです。S/MIME暗号化、DLP(データ損失防止)、Context-Aware Access(条件付きアクセス相当)といった高度なセキュリティ機能が使えます。
DLPが必要かどうかが実質的な分岐点です。「マイナンバーやクレジットカード番号が含まれるファイルの外部共有を自動でブロックする」といった統制が要件になっている場合、Enterprise が必要になります。
規模・業種別の選び方
従業員20名・ファイル共有は少ない・コスト最優先 → Starterでも運用可能ですが、共有ドライブがない点は理解した上で選んでください。将来的な移行を見越すなら最初からStandardが無難です。
従業員50〜100名・一般的な事業会社 → Business Standard。大半のケースでこれが最適解です。
従業員50〜100名・士業/医療/金融 → Business Plus。記録の保持義務があるならVaultが必要です。
従業員100名以上・情報統制の要件がある → Business Plus、要件次第でEnterprise Standard。DLPが要件なら Enterprise です。
全員同じプランにする必要はない
見落とされがちですが、プランは混在させられます。
たとえば、経営層・管理部門・情シスはBusiness Plus、現場の一般社員はBusiness Standard、という構成が可能です。Vaultが必要なのは特定部門だけ、というケースは多く、全社をPlusにするより大幅にコストを抑えられます。
100名の企業で、20名だけPlusにして80名をStandardにすると、全員Plusにする場合と比べて年間で約86万円の差が出ます(2026年8月11日時点の価格・税別で試算)。
ただしプランを混在させると、使える機能が人によって変わるため、ヘルプデスクの説明が複雑になります。管理工数とのバランスで判断してください。
プラン変更・移行時の注意
上位プランへの変更は比較的容易です。管理コンソールから変更でき、ストレージ容量もすぐに増えます。
下位プランへの変更(ダウングレード)は注意が必要です。すでに使っているストレージ容量が変更後の上限を超えていると、変更できないか、超過分の扱いを整理する必要があります。またVaultで保持しているデータは、Plusから下位に変更した時点でアクセスできなくなります。
年間契約(Annual Plan)の途中でユーザー数を減らすことはできません。増員の可能性が高い時期は柔軟契約(Flexible Plan)、人数が安定している場合は年間契約という使い分けが基本です。年間契約のほうが単価は安くなります。
まとめ
- 中小企業の実質的な選択肢はBusiness Standard か Business Plus
- Starterは共有ドライブが使えない。ファイルの所有者が個人のままになり、退職時に引き継げないリスクがある
- 大半の事業会社にはBusiness Standardが最適。共有ドライブ・Meet録画・AI機能が揃う
- 記録の保持義務がある業種(士業・医療・金融)はPlus。Vaultが実質必須
- DLPが要件ならEnterprise Standard。ここが Business と Enterprise の実質的な分岐点
- プランは混在できる。必要な部門だけ上位にすればコストを抑えられるが、ヘルプデスクの負荷は上がる
- ダウングレードは制約が多い。ストレージ超過とVaultデータの扱いを事前に確認する
GWSのプラン選定は、ストレージ容量、セキュリティ要件、コンプライアンス要件の3軸で判断してください。自社の利用実態からどのプランが適切か判断がつかない場合は、情シス365の無料相談でご相談いただけます。ライセンス最適化を含むGWSの運用代行は運用支援(月額12万円〜)で提供しています。