Microsoft 365管理|初心者管理者が最初に覚えるべき10の操作

M365の管理者になったら

M365の管理者権限を付与されたものの「何をすればいいかわからない」という方向けに、最初に覚えるべき10の操作をまとめます。

前任者からの引き継ぎがないまま任されるケースも多いため、まず自分の権限で何ができるかを確認するところから始めてください。

操作1:管理センターにアクセスする

admin.microsoft.com にブラウザでアクセスします。これがM365管理の「司令塔」です。

表示される項目は付与されている権限によって変わります。項目が少ない場合は、全体管理者ではなく限定的なロールが割り当てられている可能性があります。

操作2:ユーザーを追加する

管理センター → ユーザー → アクティブなユーザー → 「ユーザーの追加」。表示名、ユーザー名(メールアドレス)、ライセンスを設定します。

入社時のチェックポイント: ライセンスの割り当て、所属グループへの追加、初回パスワードの伝達方法、MFAの登録案内。この4点をセットで実施する手順書を作っておくと、抜け漏れがなくなります。

操作3:パスワードをリセットする

ユーザー一覧から該当ユーザーを選択 → 「パスワードのリセット」。最も頻度の高い管理操作です。

本人確認をどうするかを事前に決めておいてください。電話やチャットで「パスワードを忘れた」と連絡が来たとき、本人であることを確認せずにリセットして伝えると、なりすましの入口になります。セルフサービスパスワードリセット(SSPR)を有効にすれば、この作業自体を減らせます。

操作4:ライセンスを割り当て・変更する

ユーザーの詳細画面 → 「ライセンスとアプリ」からプランの割り当て・変更ができます。

月次でライセンスの棚卸しをしてください。 退職者のライセンスが解除されないまま課金され続けているケースは非常に多く、10名分放置すれば年間で数十万円の無駄になります。

操作5:MFAを有効化する

Entra管理センター → 保護 → 条件付きアクセス → 新しいポリシーで「すべてのユーザーにMFAを要求」を設定します。最も重要なセキュリティ設定です。

なお2026年7月以降、EntraではSMS・音声通話によるMFAが段階的に廃止され、パスキー(FIDO2)が既定の認証方式になります。これから設定するなら、Microsoft Authenticatorアプリまたはパスキーで構成してください。

操作6:グループを作成する

管理センター → グループ → 「グループの追加」。部門ごとの配布リストやセキュリティグループを作成します。

グループを整備しておくと、ライセンス割り当てやアクセス権限をグループ単位で管理できるようになり、入退社時の作業が大幅に減ります。最初に部署単位のグループを作っておくことをおすすめします。

操作7:共有メールボックスを作成する

管理センター → グループ → 共有メールボックス → 「共有メールボックスの追加」。info@やsupport@などの共通メールアドレスを作成します。

共有メールボックスはライセンス不要(50GBまで)です。「問い合わせ窓口用にユーザーアカウントを1つ作ってライセンスを割り当てる」という運用をしている場合、共有メールボックスに切り替えればその分のライセンス費を削減できます。

操作8:サービスの正常性を確認する

管理センター → 正常性 → 「サービスの正常性」。M365の各サービスに障害が起きていないか確認できます。

「メールが送れない」「Teamsが繋がらない」という問い合わせが複数同時に来たときは、まずここを見てください。 Microsoft側の障害であれば、社内で調査しても原因は見つかりません。障害情報を社内に周知するだけで、問い合わせ対応の負荷が下がります。

操作9:利用状況レポートを確認する

管理センター → レポート → 「使用状況」。メール、Teams、OneDriveの利用状況が確認できます。

ライセンスを割り当てているのに一度もサインインしていないユーザーが見つかることがあります。ライセンス最適化の材料になります。

操作10:セキュアスコアを確認する

security.microsoft.com → 「セキュアスコア」。テナントのセキュリティ状態をスコアで確認し、改善アクションの一覧が表示されます。

何から手をつければよいか分からないときは、ここの改善提案を上から見てください。 効果の大きい順に並んでいるため、優先順位を考える手間が省けます。

トラブル時の確認先

問い合わせを受けたとき、どこを見れば原因にたどり着けるかを整理しておきます。

症状まず確認する場所
複数人が同時に不調サービスの正常性(Microsoft側の障害か)
特定の人だけログインできないEntra管理センター → サインインログ
メールが届かない・遅いExchange管理センター → メールフロー → メッセージ追跡
ファイルにアクセスできないSharePoint / OneDriveの共有設定と権限
見覚えのないログインがあるサインインログ → 場所・IPアドレス・デバイス

サインインログは特に重要です。 「ログインできない」の原因が、条件付きアクセスポリシーによるブロックなのか、パスワード誤りなのか、MFAの失敗なのかを切り分けられます。

やってはいけないこと

全体管理者アカウントで日常業務をする。 乗っ取られた際の被害が最大化します。管理作業用と日常業務用を分けてください。

全体管理者を自分1人にする。 自分が休んだ日にトラブルが起きると誰も対応できません。最低2名は確保してください。

設定変更を記録しない。 「なぜこの設定になっているのか」が数ヶ月後に分からなくなります。変更した日付・内容・理由を残す習慣をつけてください。

テストせずに全社へ適用する。 条件付きアクセスポリシーは、設定を誤ると全社員がログインできなくなります。まず自分と数名で検証してから展開してください。

まとめ

  • まず10の基本操作を押さえれば、M365管理者としての日常業務はカバーできる
  • 入社時対応はライセンス・グループ・パスワード・MFA案内をセットで手順化する
  • パスワードリセットは本人確認の方法を先に決める。SSPRを有効にすれば作業自体が減る
  • ライセンスの棚卸しは月次で。退職者分の放置は年数十万円の無駄になる
  • 問い合わせが同時多発したら、まずサービスの正常性を見る。Microsoft側の障害を社内調査しても原因は出ない
  • 共有メールボックスはライセンス不要。窓口用にユーザーを作っているなら切り替えでコスト削減できる
  • 全体管理者は最低2名、かつ日常業務用アカウントと分離する
  • 条件付きアクセスは必ず少人数で検証してから全社展開する

さらに高度な設定(条件付きアクセス、Intune、DLP等)は、基本が回るようになってから段階的に学んでください。

管理者になったばかりで判断に迷う場面が多い場合は、情シス365の無料相談でご相談いただけます。M365管理をまるごと代行する運用支援(月額12万円〜)のほか、判断だけを支援するIT顧問プランもあります。

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