【完全ガイド】Microsoft 365 2026年7月値上げ|影響額の試算と今すぐやるべき5つの対策
Microsoft 365が2026年7月に値上げ ― 何が変わるのか
Microsoftは2025年12月、2026年7月1日から商用Microsoft 365の全プランを値上げすることを正式に発表しました。新規契約だけでなく、既存契約の更新時にも新価格が適用されます。
値上げの規模はプランによって異なり、**Business Basicで+16.7%、Enterprise E3で+7.7%**と、中小企業が多く利用するプランほど値上げ幅が大きい傾向にあります。
50名規模の企業でも年間10万円以上のコスト増になるケースがあり、情シス担当者にとって早期の対策が不可欠です。本記事では、全プランの新旧料金を比較し、企業規模別の影響額を試算した上で、今すぐ取り組める5つの対策を解説します。
全プランの新旧料金比較
以下は、日本円(税別・月額/ユーザー)での新旧料金です。為替レートや地域によって多少の差異がありますが、グローバル発表の値上げ率をベースにしています。
Businessプラン(300名以下向け)
| プラン | 現行価格 | 新価格(7月〜) | 値上げ額 | 値上げ率 |
|---|---|---|---|---|
| Business Basic | ¥899 | ¥1,049 | +¥150 | +16.7% |
| Business Standard | ¥1,874 | ¥2,099 | +¥225 | +12.0% |
| Business Premium | ¥3,298 | ¥3,548 | +¥250 | +7.6% |
Enterpriseプラン
| プラン | 現行価格 | 新価格(7月〜) | 値上げ額 | 値上げ率 |
|---|---|---|---|---|
| E3 | ¥5,197 | ¥5,597 | +¥400 | +7.7% |
| E5 | ¥8,208 | ¥8,708 | +¥500 | +6.1% |
フロントラインプラン
| プラン | 現行価格 | 新価格(7月〜) | 値上げ額 | 値上げ率 |
|---|---|---|---|---|
| F1 | ¥330 | ¥380 | +¥50 | +15.2% |
| F3 | ¥1,199 | ¥1,349 | +¥150 | +12.5% |
注目すべきポイント: Business Basicの値上げ率が最大(+16.7%)です。「安いプランだから影響は小さい」と油断すると、ユーザー数が多い企業ほどインパクトが大きくなります。
企業規模別の年間コスト影響額シミュレーション
値上げが年間の IT コストにどの程度影響するか、代表的な3パターンで試算します。
パターン1: 50名規模(全員Business Standard)
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 現行の年間コスト | ¥1,124,400(¥1,874 × 50名 × 12ヶ月) |
| 値上げ後の年間コスト | ¥1,259,400(¥2,099 × 50名 × 12ヶ月) |
| 年間増加額 | ¥135,000 |
パターン2: 100名規模(E3が80名 + F3が20名)
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 現行の年間コスト | ¥5,276,400(E3: ¥5,197×80 + F3: ¥1,199×20 × 12ヶ月) |
| 値上げ後の年間コスト | ¥5,696,400(E3: ¥5,597×80 + F3: ¥1,349×20 × 12ヶ月) |
| 年間増加額 | ¥420,000 |
パターン3: 200名規模(E3が150名 + E5が30名 + F3が20名)
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 現行の年間コスト | ¥12,887,760 |
| 値上げ後の年間コスト | ¥13,893,360 |
| 年間増加額 | ¥1,005,600 |
200名規模では年間100万円超のコスト増になります。対策を打たなければ、この差額は毎年積み上がっていきます。
値上げの背景 ― なぜ今なのか
Microsoftが値上げに踏み切った背景には、大きく2つの要因があります。
1. Microsoft 365 Copilot Chat の統合
2025年1月にリリースされたCopilot Chat(旧Bing Chat Enterprise)の機能が、全M365商用プランに標準統合されました。従来は別途課金だったAIアシスタント機能が含まれる形になり、その分が価格に転嫁されています。
2. セキュリティ・コンプライアンス機能の拡充
Microsoftは2024年のSecure Future Initiative以降、セキュリティ関連機能を大幅に強化しています。多要素認証の標準化、条件付きアクセスの機能拡張、データ損失防止(DLP)の改善など、企業に求められるセキュリティ水準に対応するための投資が価格に反映されています。
つまり、単純な値上げではなく「機能追加に伴う価格改定」という位置づけです。ただし、追加される機能を使いこなせなければ、実質的にはコスト増にしかなりません。
今すぐやるべき5つの対策
値上げは避けられませんが、事前の対策で影響を最小限に抑えることは可能です。
対策1: ライセンスの棚卸し(未使用ライセンスの削減)
最も即効性が高く、コストもかからない対策です。
やるべきこと:
- Microsoft 365管理センターの「利用状況レポート」で、過去90日間サインインのないユーザーを抽出する
- 退職・異動済みの社員にライセンスが残っていないか確認する
- 共有メールボックスに有料ライセンスが割り当てられていないか確認する
削減効果の目安: 50名規模の企業で、平均3〜5名分の未使用ライセンスが見つかることが多く、Business Standardなら月額¥5,600〜¥9,400、年間で¥67,000〜¥113,000の削減になります。
対策2: プランの適正化(ライセンスミックス)
全社員に同一プランを割り当てている企業は、役割に応じたプラン分けで大幅にコストを削減できます。
見直しの考え方:
- 経営層・管理部門: デスクトップ版Officeが必要 → Business Standard / E3
- 営業・企画: Officeアプリ+Teams中心 → Business Standard
- Web版で十分なユーザー: メール・Teams・SharePointのみ → Business Basic
- 現場スタッフ: モバイル中心 → F1 / F3
削減効果の例: 100名全員E3(月額¥519,700)を、E3が60名 + Business Standardが20名 + F3が20名に見直すと、月額¥373,600となり、月額¥146,100(年間¥175万)の削減が可能です。
対策3: 契約更新タイミングの最適化(7月前に更新)
年間契約の更新が2026年7月以降に予定されている場合、6月30日までに前倒しで更新すれば、現行価格でもう1年間利用できます。
注意点:
- CSP(クラウドソリューションプロバイダー)経由の契約は、パートナーに前倒し更新の可否を確認する
- EA(Enterprise Agreement)の場合は、契約条件が異なるためMicrosoftまたはLAR(ライセンスリセラー)に相談する
- 前倒し更新で生じるコスト(残存期間分の重複)と値上げ後のコスト差を比較して判断する
対策4: Fライセンスの活用(現場スタッフ向け)
デスクトップ版Officeを使わない現場スタッフに、FライセンスやBusiness Basicを適用するだけで大きなコスト効果があります。
F3ライセンスで使える主な機能:
- Outlook(Web版)、Teams、OneDrive(2GB)
- SharePointサイトの閲覧
- Power Appsの利用(一部制限あり)
削減効果: E3(¥5,197/月)からF3(¥1,199/月)に変更すると、1ユーザーあたり月額¥3,998の削減です。20名を切り替えれば月額¥79,960、年間で約¥96万の節約になります。
Fライセンスの詳細は「Microsoft 365 F1/F3ライセンスとは?現場スタッフ向けプランの機能・制限・料金を解説」で詳しく解説しています。
対策5: 年額契約への切り替え検討
月額契約から年額契約に切り替えることで、通常10〜15%のコスト削減が見込めます。値上げと合わせて年額契約に移行すれば、値上げの影響を相殺できるケースもあります。
年額契約のメリット:
- 月額より安い単価が適用される
- 予算計画が立てやすい
デメリット:
- 途中解約時の返金条件が厳しい場合がある
- 急な人員増減に対応しにくい
従業員の増減が少ない安定した企業には、年額契約が有効な選択肢です。
まとめ ― 値上げ前の3ヶ月が勝負
2026年7月のMicrosoft 365値上げは、中小企業のITコストに確実に影響します。しかし、以下の5つの対策を今から実行すれば、値上げ分を吸収するどころか、現行より安くなる可能性もあります。
- ライセンス棚卸しで未使用分を削減
- プランの適正化で役割に応じた最適プランへ
- 契約更新の前倒しで現行価格をもう1年確保
- Fライセンス活用で現場スタッフのコストを大幅削減
- 年額契約で単価を下げる
特に対策1と2は追加コストなしで着手でき、効果も大きいため最優先で取り組むべきです。
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