リモート情シスとは?地方企業が東京のIT専門チームを活用する方法
「情シス担当がいないが、地方にはITに詳しい人材がいない」「東京のIT企業に頼みたいが、遠隔で本当に対応できるのか」。こうした悩みを抱える地方企業の経営者は少なくありません。
リモート情シスとは、社内に常駐するIT担当者を置かず、遠隔地のIT専門チームがオンラインでIT運用・サポートを行うサービスです。クラウドやリモート管理ツールの進化により、現在ではIT運用業務の大半をリモートで対応できるようになりました。
この記事では、リモート情シスの仕組み、対応可能な業務範囲、導入の進め方、費用感について解説します。
リモート情シスの仕組み
リモート情シスでは、IT専門チームが自社のIT環境にリモートアクセスし、日常的なIT運用業務を代行します。具体的には、クラウド管理ツール(Microsoft Intune、Jamfなど)を通じたPC管理、Microsoft TeamsやSlackを使ったヘルプデスク対応、セキュリティ監視ダッシュボードによる異常検知などを行います。
コミュニケーションはTeamsやZoomでのビデオ通話、チャット、メールが中心です。定例会議を週次または月次で設定し、IT環境の状況報告や改善提案を行うのが一般的な運用スタイルです。
オンサイト対応との違いと使い分け
リモート対応とオンサイト(現地)対応は、排他的なものではなく、業務内容に応じて使い分けるものです。
リモートで対応できる業務
ヘルプデスク対応。「Teamsが起動しない」「パスワードを忘れた」「メールの設定方法がわからない」といった問い合わせは、画面共有やリモートデスクトップで対応できます。
アカウント管理。Microsoft 365やGoogle Workspaceのユーザー作成・削除・ライセンス割り当て、入退社に伴うアカウント処理はすべてリモートで完結します。
セキュリティ監視。Microsoft Defender for EndpointなどのEDRによるエンドポイント監視、不審なサインインの検知、セキュリティアラートへの対応はリモートの方がむしろ効率的です。24時間監視体制を組めるのも、リモートならではの利点です。
クラウド管理。Microsoft 365、Google Workspace、AWSやAzureの運用管理は、管理コンソールへのアクセスさえあればどこからでも対応可能です。
PC管理。Microsoft Intuneを使えば、PCのセキュリティポリシー適用、ソフトウェア配布、OSアップデート管理をリモートで一括管理できます。新入社員のPCキッティングも、Autopilotを使えば現地での作業を最小限に抑えられます。
オンサイト対応が必要な業務
一方、物理的な作業はリモートでは対応できません。ネットワーク機器(ルーター、スイッチ、Wi-Fiアクセスポイント)の設置・交換、サーバーのハードウェア障害対応、プリンターの物理故障、オフィス移転時のインフラ構築などが該当します。
これらは頻度が低いため、必要な場合にスポットで対応する形が合理的です。地域のITベンダーとの協力体制を構築しておけば、リモートチームの指示のもとで現地作業を行うことも可能です。
リモート情シスに必要なツール・環境
リモート情シスを導入するにあたり、以下のツールや環境が前提になります。
クラウドベースのグループウェア。Microsoft 365またはGoogle Workspaceの利用が基本です。オンプレミスのExchangeサーバーやファイルサーバーを使っている場合は、クラウドへの移行を先行して行う必要があります。
デバイス管理ツール。Microsoft IntuneやJamfなどのMDM(モバイルデバイス管理)ツールを導入することで、リモートからのPC管理が可能になります。Windows PCであればIntuneが最も一般的な選択肢です。
コミュニケーションツール。Microsoft TeamsやSlackが必要です。ヘルプデスクの問い合わせ窓口として専用チャネルを設けることで、対応履歴の管理や対応品質の可視化が可能になります。
リモートアクセスツール。ユーザーのPCに接続してトラブル対応を行うためのツールが必要です。TeamViewerやAnyDesk、あるいはWindows標準のリモートデスクトップを使用します。
導入ステップ
リモート情シスの導入は、一般的に以下の4ステップで進みます。
ステップ1: 現状調査(1〜2週間)
現在のIT環境の棚卸しを行います。利用中のシステム、ネットワーク構成、ユーザー数、業務フロー、セキュリティ対策の状況などを把握し、リモート対応への移行に必要な準備事項を洗い出します。
ステップ2: 設計・計画(1〜2週間)
調査結果をもとに、リモート情シスの運用設計を行います。対応範囲の定義、SLA(応答時間・解決時間の目安)の設定、エスカレーションフロー、定例会議の頻度などを決定します。
ステップ3: 環境構築・移行(2〜4週間)
リモート管理に必要なツールの導入と設定を行います。Intuneの展開、監視ツールの設定、ヘルプデスク窓口の開設などが含まれます。オンプレミス環境のクラウド移行が必要な場合は、この期間が長くなります。
ステップ4: 運用開始・安定化(1〜2か月)
運用を開始し、安定稼働するまでフォローを行います。初月は問い合わせの傾向やユーザーの不安を確認しながら、運用ルールの調整を行います。
リモート情シスの費用感
リモート情シスの費用は、対応範囲と企業規模によって異なります。目安として、情シス365では以下のプランを提供しています。
ライトプラン(月額18万円〜): ヘルプデスク対応とアカウント管理を中心とした基本的なIT運用代行です。社員30名以下の企業に適しています。
スタンダードプラン(月額35万円〜): セキュリティ監視やPC管理を含む標準的なIT運用です。社員30〜100名規模の企業に適しています。
IT担当者を1名採用する場合の年間コスト(600〜800万円)と比較すると、大幅なコスト削減が可能です。さらに、複数の専門家がチームで対応するため、特定の個人に依存するリスクもありません。
まとめ
リモート情シスは、地方企業がIT人材不足の問題を解決するための現実的な選択肢です。クラウドとリモート管理ツールの普及により、IT運用業務の大半は遠隔で対応可能になっています。
導入にあたっては、まず自社のIT環境の現状を把握し、リモート対応に必要な基盤(クラウドグループウェア、デバイス管理ツール)を整えることが最初のステップです。情シス365では、現状調査から運用開始まで一貫してサポートしていますので、まずはお気軽にご相談ください。