Office 2021のサポートが2026年10月13日に終了——買い切りOfficeユーザーが今すぐ知るべき影響と移行先の選び方
買い切り版のOffice 2021(およびボリュームライセンス版のOffice LTSC 2021)のサポートが、2026年10月13日に終了します。残り約4ヶ月です。
「Officeのサポート終了」と聞くと、Office 2016/2019のときのように「延長サポートがあるからまだ先の話」と考えてしまいがちですが、Office 2021に延長サポートはありません。メインストリームサポート5年のみで、2026年10月13日をもって完全にサポートが終了します。
しかも2026年10月13日は、Windows 10の個人向けESU(拡張セキュリティ更新)の終了日、Windows Server 2012/R2のESU完全終了日と同じ日です。複数の期限が同日に重なる「2026年10月問題」の一角として、今から計画的に対応する必要があります。
この記事では、Office 2021のサポート終了による影響と、移行先の選び方を解説します。
Office 2021のサポート終了で何が起きるか
サポート終了日と対象製品
| 製品 | サポート終了日 |
|---|---|
| Office Home & Business 2021(買い切り) | 2026年10月13日 |
| Office Personal 2021(買い切り) | 2026年10月13日 |
| Office LTSC 2021(ボリュームライセンス) | 2026年10月13日 |
| (参考)Office 2024 / LTSC 2024 | 2029年10月9日 |
Word、Excel、PowerPoint、Outlookなど、Office 2021に含まれるすべてのアプリが対象です。
「延長サポートなし」がOffice 2019までとの最大の違い
Office 2019までは「メインストリームサポート5年+延長サポート」の構成で、サポート終了までトータル7年程度の猶予がありました。Office 2021からは延長サポートが廃止され、5年で完全終了します。「前回は結構長く使えた」という感覚でいると、想定より2年早くサポート切れを迎えることになります。
サポート終了後のリスク
2026年10月14日以降、Office 2021は以下の状態になります。
- セキュリティ更新プログラムが提供されない —— 新たに発見された脆弱性が永久に修正されず、マルウェア感染・情報漏えいの入口になる
- バグ修正・仕様変更への対応がない —— 不具合が発生しても修正されない
- Microsoftサポート窓口が利用できない
- Microsoft 365サービスとの接続が非保証に —— Exchange OnlineやSharePoint Onlineへの接続は、サポート対象のOfficeクライアントであることが前提。サポート切れOfficeでの接続は動作保証外となり、ある日突然つながらなくなっても文句は言えない
特に最後の点は見落とされがちです。「メールはMicrosoft 365、OfficeアプリはOffice 2021の買い切り」という構成の企業は、メール送受信そのものが不安定化するリスクを抱えることになります。
Officeの脆弱性はマルウェア付き添付ファイルの実行経路として最も狙われやすい場所であり、「アプリが起動するから使い続ける」が通用しない領域です。
参考: Office LTSC 2021 のサポートは 2026 年 10 月 13 日に終了します - Microsoft Learn
移行先は2択——Microsoft 365 か Office LTSC 2024 か
選択肢1:Microsoft 365(推奨)
Microsoftが公式に推奨する移行先です。サブスクリプション型のため「サポート終了」という概念自体がなくなり、常に最新版が利用できます。
中小企業での現実的なプランは以下のとおりです(年契約・税別の目安)。
| プラン | 月額/ユーザー | デスクトップ版Office | 特徴 |
|---|---|---|---|
| Business Basic | 約900円 | なし(Web版のみ) | メール・Teams・ストレージ中心 |
| Apps for business | 約1,200円 | あり | Officeアプリだけ欲しい場合 |
| Business Standard | 約1,900円 | あり | メール+Office。最も標準的 |
| Business Premium | 約3,300円 | あり | +Intune/Defender等のセキュリティ |
「買い切りOffice+無料メール」の構成からの移行であれば、Officeアプリとビジネスメール・Teams・OneDriveがまとめて手に入るBusiness Standardが第一候補になります。すでにMicrosoft 365のメールプラン(Business Basic等)を使っていてOfficeだけ買い切りだった企業は、Business Standardへのプラン変更で一本化するのがシンプルです。
選択肢2:Office LTSC 2024 / Office 2024(買い切り継続)
「閉域網でクラウドに接続できない」「検証済みバージョンを固定したい製造装置・専用端末がある」など、サブスクリプション化できない事情がある場合の選択肢です。
ただし注意点があります。
- Office LTSC 2024のサポートも2029年10月9日まで。延長サポートはなく、3年後には同じ問題が再来する
- 新機能の追加はなく、AI機能(Copilot)も使えない
- ボリュームライセンスの調達手続きが必要(LTSCの場合)
つまり買い切り版の継続は「3年ごとに買い替えとキッティングを繰り返す」運用を選ぶということです。台数が多いほど、サブスクリプション化した方がトータルの管理コストは下がるケースがほとんどです。
判断の目安
- 一般的な業務PC → Microsoft 365へ移行(メール・ストレージ含めて統合)
- クラウド接続できない・バージョン固定が必須の端末 → Office LTSC 2024
- 「とりあえず安く済ませたい」 → Office 2024買い切りも選べるが、3年後の再購入と管理コストを織り込んで判断する
見落としがちな注意点
Outlookクラシックの行方
Office 2021のOutlookは「クラシックOutlook」です。Microsoftは新しいOutlookへの移行を段階的に進めており、Office 2021のサポート終了はメールクライアント刷新のタイミングでもあります。クラシックOutlookで使えた機能の差分は「Outlookクラシック終了で失われる機能」で解説しています。
ライセンスの棚卸しを先に
「全社Microsoft 365のはずが、一部の部署だけOffice 2021買い切りだった」「中途入社者のPCにプリインストール版Office 2021が混ざっている」というケースは非常に多いです。移行計画の前に、実際にどのPCにどのOfficeが入っているかの棚卸しから始めてください。Microsoft 365管理センターやIntuneのインベントリ、資産管理ツールで確認できます。
VBAマクロ・アドインの互換性検証
Excel VBAマクロや会計ソフト連携アドインを多用している企業は、Microsoft 365版(常時更新)への移行で動作が変わる可能性があります。移行前に主要な業務ファイルでの検証期間を確保しましょう。
2026年10月13日は「期限の重複日」
冒頭で触れたとおり、同日に以下の期限が重なります。
- Office 2021 / LTSC 2021 サポート終了(本記事)
- Windows 10 個人向けESUの終了・法人向けESU 1年目の終了
- Windows Server 2012/R2 ESUの完全終了
「Office 2021が載った古いWindows 10 PC」を使っている企業は、OfficeとOSの両方が同日にサポート切れになります。PC入れ替え(Windows 11化)とOfficeのMicrosoft 365移行を一体のプロジェクトとして計画するのが効率的です。
移行スケジュールの目安(残り4ヶ月)
| 時期 | やること |
|---|---|
| 6月(今すぐ) | Office利用状況の棚卸し(バージョン・台数・ライセンス形態) |
| 6〜7月 | 移行方針の決定(M365プラン選定 or LTSC 2024)、予算化 |
| 7〜8月 | パイロット移行(1部署)、マクロ・アドイン検証 |
| 8〜9月 | 全社展開、旧Officeのアンインストール |
| 10月13日 | サポート終了(ここまでに完了) |
年末の繁忙期や期末を避けて移行するなら、実質的な作業ウィンドウは夏場しかありません。「まだ4ヶ月ある」ではなく「実働3ヶ月しかない」と捉えるのが安全です。
まとめ
- Office 2021 / Office LTSC 2021のサポートは2026年10月13日に完全終了。 延長サポートはない
- サポート終了後はセキュリティ更新が止まり、Microsoft 365サービスへの接続も動作保証外になる
- 移行先は原則Microsoft 365(Business Standardが標準解)。クラウド接続不可の端末のみOffice LTSC 2024
- 同日にWindows 10 ESU(個人向け)とWindows Server 2012 ESUも終了する「2026年10月問題」。PC更改と一体で計画すると効率的
- まずはOffice利用状況の棚卸しから。実働期間は夏場の約3ヶ月
情シス365では、Office 2021からMicrosoft 365への移行計画の策定、ライセンス選定、キッティング・展開作業までを一貫して支援しています。「自社にどのOfficeが何台あるか分からない」という段階からでも対応可能ですので、お早めにご相談ください。