Windows 10 ESU「1年目」が2026年10月13日に終了——2年目を買うべきか、今度こそWindows 11へ移行すべきかの判断ガイド
2025年10月14日のWindows 10サポート終了時、「Windows 11対応PCへの入れ替えが間に合わない」という理由でESU(拡張セキュリティ更新プログラム)を選んだ企業は少なくありません。
そのESUの1年目が、2026年10月13日に終了します。
ここで多くの企業が二度目の決断を迫られます。「ESU 2年目を購入してさらに延命するか、今度こそWindows 11へ移行するか」。そして個人向けESUを使っていた場合、そもそも2年目は存在しません。
この記事では、ESU 2年目の条件と価格、延命と移行のコスト比較、判断基準を整理します。
まず確認:あなたのESUに「2年目」はあるか
Windows 10のESUは、個人向けと法人向けでまったく別の制度です。
個人向けESU:2026年10月13日で完全終了(延長不可)
個人向けESU(無料のOneDrive設定同期、Microsoft Rewards 1,000ポイント、または30ドルで取得したもの)は1年間限りのプログラムです。2026年10月13日で終了し、2年目のオプションはありません。
注意したいのは、「個人事業主や小規模オフィスで、個人向けESUを業務PCに適用して凌いでいる」ケースです。この場合、2026年10月14日以降の延命手段は法人向けESUの購入かWindows 11移行しかなく、しかも法人向けESUに今から入ると後述の「累積課金」で割高になります。
法人向けESU:最長3年、ただし毎年倍額
法人向けESU(ボリュームライセンス/CSP経由)は最長3年ですが、価格が毎年倍になっていきます。
| 年 | 期間 | 価格(1台あたり) |
|---|---|---|
| 1年目 | 2025年10月〜2026年10月13日 | $61 |
| 2年目 | 2026年10月〜2027年10月 | $122 |
| 3年目 | 2027年10月〜2028年10月 | $244 |
さらに重要なルールが2つあります。
- 累積課金: 2年目から加入する場合も1年目の料金を遡って支払う必要がある(2年目から入ると$61+$122=$183/台)
- 年単位購入: 「半年だけ」のような部分購入は不可
つまり3年フルに使うと1台あたり$427(約6.5万円前後)。ESUは「セキュリティ更新だけ」の提供であり、新機能・不具合修正・サポート窓口は含まれません。
なお、Windows 365(クラウドPC)経由でWindows 10を利用している場合やAzure Virtual Desktop上のWindows 10はESUが無償で提供されます。仮想化基盤に載せている分だけは慌てて移行する必要はありません。
参考: Windows 10 の拡張セキュリティ更新プログラム (ESU) - Microsoft Learn
ESU 2年目 vs Windows 11移行——コストで比較する
「PC買い替えは高い、ESUで延命した方が安い」という直感は、2年目以降は成り立たなくなってきます。1台あたりで比較してみましょう。
ESU継続の場合(2年目+3年目)
- ESU費用:$122+$244 = $366(約5.5万円)/台
- 加えて、古いPC(多くは購入から6〜8年超)の故障リスク・性能劣化による生産性低下・保守部品の枯渇
- 2028年10月には結局移行が必要(ESU 3年目で完全終了)
Windows 11移行の場合
- ビジネス向けWindows 11 PC:10〜15万円/台(3〜5年使える投資)
- キッティング・展開の工数(Autopilot等で自動化可能)
ESUで2年延命すると、移行を先送りするためだけに新PC価格の3〜5割を消費する計算です。しかもその支出はPCという資産に変わらず、2028年に同じ移行プロジェクトがそのまま待っています。
それでもESU 2年目が合理的なケース
ESUが「逃げ」ではなく合理的な選択になるのは、以下のような場合です。
- 特定アプリ・周辺機器がWindows 11非対応で、ベンダーの対応待ちに明確な見込みがある
- 製造装置・検査機器の制御PCなど、OS更改に再検証・再認証が必要で2年がかりになる
- 対象台数がごく少数で、全体の更改サイクル(リース満了等)に合わせた方がトータルで安い
- 会社の統廃合・拠点閉鎖が決まっており、PCそのものの寿命が見えている
逆に「単に予算と工数を確保していなかった」だけの先送りであれば、倍額のESUを買うより、2026年度内の移行完了に予算を振り向けるべきです。
2年目を買う場合の実務ポイント
- 購入はCSPパートナーまたはボリュームライセンス経由。 更新の特性上、期限ギリギリではなく9月中の手配を推奨
- 対象PCの棚卸しを先に。 ESUは「延命が必要なPC」だけに絞って購入するのが鉄則。全台一律購入は無駄が大きい
- ESU適用中もWindows 11移行計画は止めない。 ESUは「移行期間を買う」ものであり、ゴールではない
- Windows 10 22H2であることが前提条件(それ以前のバージョンはESU対象外)
Windows 11へ移行する場合の進め方
2026年10月までの移行を目指す場合のポイントだけ押さえます。
- 互換性チェック —— TPM 2.0・CPU要件を満たすPCは無償アップグレード、満たさないPCは買い替え。PC Health CheckやIntuneのレポートで一括判定
- 調達リードタイム —— 法人PC は繁忙期(期末・10月前の駆け込み)に納期が延びる。夏までの発注が安全
- 展開の自動化 —— 台数が多い場合はWindows Autopilot+Intuneでキッティングレスに。詳しくは「Windows 11の大量展開——Autopilot・Intune・SCCMの使い分け」を参照
- Officeも同時に確認 —— 2026年10月13日はOffice 2021のサポート終了日でもあります。古いPCにはOffice 2021が載っていることが多く、PC更改とOffice移行は同時に計画するのが効率的です。詳しくは「Office 2021サポート終了の影響と移行先」を参照
ESU 1年目時点での判断材料は「Windows 10 ESUとWindows 11移行の比較」でも解説していますので、あわせてご覧ください。
まとめ
- Windows 10 ESU 1年目は2026年10月13日に終了。個人向けESUは延長不可で、これが最後の期限
- 法人向けESU 2年目は**$122/台(累積ルールあり)**。3年フルでは$427/台に達し、新PC価格の3〜5割を「先送り」に費やす計算になる
- ESU 2年目が合理的なのは、アプリ非対応・専用機・台数僅少など明確な理由と出口がある場合のみ
- 移行するなら調達・展開のリードタイムを考えると夏が実質的なデッドライン
- 同日にOffice 2021もサポート終了。PC更改とOffice移行は一体で計画する
情シス365では、Windows 11移行の計画策定からキッティング・展開、ESU購入の要否判断まで支援しています。「どのPCが移行対象か棚卸しできていない」「ESUと移行のどちらが得か試算したい」という方は、お気軽にご相談ください。