Windows 10 EOS(2025年10月)後、駆け込み組が直面した3つの落とし穴と回避策

2025年10月14日、Windows 10の公式サポートが終了しました。中小企業の多くは、2025年前半〜秋にかけて慌ててWindows 11への移行を進めましたが、「とにかく期限に間に合わせるため」の駆け込み移行では、移行後に複数の問題が噴出しているのが実情です。

2026年現在、先行してIntune+Autopilotで標準化した企業と、駆け込みでとにかく移行だけ済ませた企業の間で、PC運用コストと情シスの負荷に大きな差が生まれています。

本記事では、駆け込み組が直面している3つの落とし穴と、今から追いつくための回避策を解説します。

落とし穴1:新PCが「Intune未登録」のまま現場に配られている

納品時の設定で止まってしまうケースが多発

駆け込み移行では、次のようなパターンが頻発しました。

  • 大量のPCを急遽発注し、販売店の「初期キッティング」をそのまま適用
  • 情シスが検証する時間がなく、納品時の設定のままユーザーに配布
  • Windows 11 ProのままでEntra ID / Intuneへの登録なし
  • ローカルアカウントで運用開始してしまったPCも存在

結果、会社として保有しているPCなのに、中央管理(MDM)が効かない状態が大量に発生しています。

放置するとどうなるか

Intune未登録のPCを放置すると、次のような問題が累積します。

  • セキュリティパッチの適用状況が把握できない
  • 紛失・盗難時にリモートワイプができない
  • アプリケーションの配布・アンインストールが手動対応
  • 退職者のPC回収時に、業務データが残っているかを確認できない
  • コンプライアンス監査時に「管理できているPC」として認定されない

特にセキュリティ面でのリスクが大きく、**「PCは移行したが、ガバナンスは崩壊した」**状態になりがちです。

回避策:既存PCの後付けIntune登録

Intune未登録のPCでも、後からEntra ID参加とIntune登録を進めることは可能です。

  1. Entra ID参加(または Entra Hybrid Join)をユーザーに実施依頼
  2. Intuneデバイス登録プロファイルの設定
  3. コンプライアンスポリシー(パスワード要件、ディスク暗号化など)の適用
  4. セキュリティベースライン(Windows 11向け)の配布

ただし、既存データ・アプリが混在したPCへの後付けは手間がかかり、かつ失敗時のリカバリが難しいのが実情です。計画的なリプレース時にAutopilotで最初から組み込むのが理想的です。

落とし穴2:ライセンス不備で”機能が使えない”

Microsoft 365 / Windows ライセンスの混乱

駆け込み移行で特に多いのが、ライセンスの適切な組み合わせが理解されないまま進んでしまうパターンです。

  • Microsoft 365 Business Basic + Windows 11 Proで運用開始
  • Intune管理を始めようとしたら、Basicには含まれていないことが発覚
  • 慌ててMicrosoft 365 Business Premiumに切り替え、差額コストが発生
  • Windows 11 ProでEntra ID参加はできても、Entra ID P1が必要な機能(条件付きアクセスなど)が使えない

ライセンスの整理表

中小企業向けに、Windows 11 + Intune + セキュリティ管理を実現するためのライセンス組み合わせは、次の通りです。

ライセンス月額(税別)主な機能
Microsoft 365 Business Basic¥900Teams、Exchange、SharePoint、OneDrive
Microsoft 365 Business Standard¥1,874上記 + Office デスクトップアプリ
Microsoft 365 Business Premium¥3,298上記 + Intune、Defender、情報保護

中小企業の最適解は、原則としてMicrosoft 365 Business Premiumです。Intune、Microsoft Defender for Business、Azure Information Protectionなど、中央管理とセキュリティ機能が全部盛りになっており、単品で揃えるよりもコスト効率が良いです。

回避策:ライセンス棚卸しと切り替え

駆け込み移行でBasic/Standardのまま運用している企業は、次の手順でPremiumへの切り替えを検討しましょう。

  1. 現在のライセンス契約状況の棚卸し
  2. 必要機能(Intune、Defender、DLP)の整理
  3. Premium切り替え時のコスト試算
  4. 移行計画(アカウント単位の段階移行 or 一括切り替え)

Premiumへの切り替えは、差額をかけても管理工数・セキュリティリスクの両面で回収できるケースがほとんどです。

落とし穴3:Autopilot設計の不足で新規PC展開が手作業

駆け込み組は「手動キッティング」でしのぐしかなかった

Autopilotを使えば、新規PCを開封→Wi-Fi接続→自動的に会社仕様に構築できるのですが、設計には数週間の検証期間が必要です。駆け込み移行では、この時間が取れず、次のような運用になりがちでした。

  • 情シスが1台ずつ手動でキッティング
  • 外部業者にキッティングを委託(1台あたり数千〜1万円のコスト)
  • 現場が独自にセットアップ(設定がバラバラに)

手動キッティングの累積コスト

月5台のPC入替がある企業の場合、手動キッティングの累積コストは次のようになります。

  • 1台あたりの作業時間:2〜4時間
  • 月あたり:10〜20時間
  • 年間:120〜240時間
  • 人件費換算:年間30〜60万円

これを情シスの「見えないコスト」として消費し続けるのは、中小企業にとって大きな機会損失です。

回避策:Autopilotの段階導入

Autopilot導入は、一度設計してしまえば効果が累積します。段階的に進めましょう。

  1. Step 1:既存PCの棚卸し(現行構成、アプリ、設定の整理)
  2. Step 2:Autopilotプロファイル設計(ユーザー向け・管理者向けなど)
  3. Step 3:アプリケーション配布設計(Win32アプリ、Microsoft Store、Officeなど)
  4. Step 4:テスト運用(情シス部門内で数台をAutopilot展開)
  5. Step 5:全社展開(新規入社者・PC入替から順次Autopilotに切り替え)

設計〜テスト運用まで、通常2〜3か月で稼働開始可能です。一度稼働してしまえば、新規PC1台あたりのキッティング工数をほぼゼロにできるのは絶大なメリットです。

2026年時点で先行企業が得ている運用効率

Windows 10 EOS前に先行してIntune+Autopilotを整備した企業は、2026年時点で次のような運用を実現しています。

  • 新規入社者のPCセットアップ:宅配で本人宛に直送、開封してWi-Fi接続するだけ
  • PC故障時の代替機提供:ユーザー自身がAutopilotで即座にセットアップ
  • セキュリティインシデント対応:リモートワイプで被害拡大を即座に防止
  • 退職者のPC回収:データ削除の自動化で、回収後の再利用が数分で完了

情シス1名で、300〜500台のPCを管理できるレベルの効率化を実現しているケースも珍しくありません。

今から追いつくための最短ルート

3か月プラン:ライセンス整理→Intune展開→Autopilot設計

駆け込み組が2026年後半に先行組のレベルに追いつくには、3か月の集中プロジェクトが現実的です。

Month 1:ライセンス整理とEntra ID整備

  • Microsoft 365 Business Premiumへの切り替え
  • Entra IDユーザー・グループの整理
  • 既存PCのEntra ID参加状況の棚卸し

Month 2:Intune展開と既存PC登録

  • コンプライアンスポリシー設計・適用
  • セキュリティベースライン(Windows 11向け)適用
  • 既存PCの後付けIntune登録

Month 3:Autopilot設計と新規PC運用切り替え

  • Autopilotプロファイル設計
  • アプリケーション配布設計
  • 新規入社者・PC入替からAutopilotに切り替え

情シス365の支援パッケージ

情シス365では、駆け込み移行組向けにWindows 11運用立て直しパッケージをご提供しています。

  • ライセンス棚卸し〜Premium切り替え支援
  • Intune/Autopilot設計・実装(2〜3か月)
  • Microsoft Defender for Business導入
  • 既存PCの後付けIntune登録作業
  • 運用定着後の継続運用代行(Support365)

Support365サービスページで詳細をご確認いただけます。

まとめ:駆け込み移行は”ゴールではなくスタート”

Windows 10 EOSに向けた駆け込み移行は、あくまで「Windows 11への形式的な切り替え」に過ぎません。本当の投資リターンは、Intune+Autopilotで運用を標準化してから生まれるのです。

  • 落とし穴1:Intune未登録PCを放置→後付け登録で対応
  • 落とし穴2:ライセンス不備→Business Premiumへの切り替え
  • 落とし穴3:手動キッティング継続→Autopilotで累積工数をゼロに

情シス365では、駆け込み移行の「積み残し」を3か月で整備する伴走支援をご提供しています。PC運用の見えないコストを削減し、情シスを「火消し役」から「戦略実行部隊」に変えるための仕組みづくりを、ぜひご相談ください。

詳しくは Support365サービスページ または お問い合わせフォーム からお問い合わせください。

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