退職者のアカウント処理 完全チェックリスト ― M365 / GWS / SaaSのアカウント停止から引き継ぎまで
退職者のアカウント処理は「退職日にパスワードを変えれば終わり」ではありません。アカウントの無効化、メールの引き継ぎ、ファイルの移管、SaaSの停止、デバイスの回収——漏れがあると情報漏えいやライセンスの無駄遣いに直結します。
退職日当日に実施すること
1. M365アカウントのサインインブロック: Entra管理センターで「サインインのブロック」を有効化。パスワード変更ではなくサインインブロックが正解(既存のセッションも即座に無効化される)。
2. ActiveなTeams / Outlook セッションの強制サインアウト: Entra管理センターで「セッションの取り消し」を実行。
3. MFA認証方法の削除: 退職者の認証アプリ、電話番号を削除。
4. 代理アクセス権限の確認・削除: 退職者が他ユーザーの予定表やメールボックスの代理人に設定されていた場合、代理人設定を削除。
5. 共有メールボックスのアクセス権剥奪: 退職者がアクセス権を持つ共有メールボックスから権限を削除。
退職後1週間以内に実施すること
6. メールの引き継ぎ: 退職者のメールボックスを共有メールボックスに変換し、後任者にアクセス権を付与。または、必要なメールをPSTエクスポート。
7. OneDriveデータの引き継ぎ: 退職者のOneDriveに上長のアクセス権を付与(M365管理センターから設定可能)。必要なファイルをSharePointチームサイトに移動。
8. Teams / SharePointグループからの削除: 退職者が所属するTeamsチームやSharePointサイトのメンバーから削除。
9. SaaSアカウントの停止: IT資産台帳を参照し、退職者が利用していたSaaS(Slack、freee、Salesforce等)のアカウントを無効化。
10. デバイスの回収: PC、スマートフォン、モニター等を回収。Intuneからデバイスをワイプ(データ消去)。
退職後30日で実施すること
11. M365アカウントの削除: アカウント削除後も30日間は「ごみ箱」に残り、復元可能。30日を超えると完全削除。
12. ライセンスの解放: 削除したアカウントに割り当てられていたライセンスを解放し、新規ユーザーに再利用。
13. IT資産台帳の更新: 退職者のPC、SaaS、ライセンスの情報を台帳から削除(または「退職済み」にステータス変更)。
退職者のメールアドレスの取り扱い
退職者のメールアドレス宛に取引先がメールを送り続ける可能性があります。以下の対応を検討してください。
- エイリアスとして後任者に追加: 退職者のアドレスを後任者のエイリアスに設定し、メールを受信
- 自動返信の設定: 共有メールボックスに変換し「退職しました。後任の○○(メールアドレス)にご連絡ください」の自動返信を設定
まとめ
退職者のアカウント処理は「当日」「1週間以内」「30日」の3段階で実施します。最も重要なのは退職日当日のサインインブロックです。このチェックリストを社内フローに組み込み、退職のたびに漏れなく実行してください。
→ IT資産管理テンプレートの「入退社チェックリスト」シート
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