2026年10月13日に3つ同時サポート終了:Office LTSC 2021・Windows 10 ESU・Windows Server 2012 完全対応ガイド
2026年10月13日、3つの節目が重なる
2026年10月13日(火)は、Microsoftの製品ライフサイクルにおいて特異な日です。以下の3つが同日に重なります。
| 製品 | 2026年10月13日に何が起きるか |
|---|---|
| Office LTSC 2021 | メインストリームサポート終了(セキュリティ更新停止) |
| Windows 10 ESU Year 1 | 第1年次の適用期間終了(Year 2購入またはOS移行が必要) |
| Windows Server 2012 / R2 ESU | 3年間の延長セキュリティ更新プログラムが完全終了 |
この3つが同時に到来するのは偶然ではありません。Microsoftはセキュリティパッチの配信を毎月第2火曜日(日本時間水曜日)に行う「Patch Tuesday」サイクルを採用しており、製品の終了日も同じ曜日に設定される慣習があります。
今から4か月。「まだ先の話」と思っているうちに対応が間に合わなくなるケースが中小企業では頻発します。本記事では各製品の正確な状況と、自社に当てはまるかどうかの判断基準、そして今取るべきアクションを整理します。
1. Office LTSC 2021 のサポート終了
何が変わるのか
Office LTSC 2021は、Microsoft 365のようなサブスクリプションではなく、買い切り型のオフィスソフトです。2021年9月16日のリリースから約5年間のサポート期間が設けられており、2026年10月13日をもってメインストリームサポートが終了します(Microsoft Learn公式ライフサイクルページで確認済み)。
終了後は:
- セキュリティ更新プログラムの提供が停止
- 不具合修正(バグフィックス)の提供が停止
- マイクロソフトによる技術サポートの対象外
ソフトウェア自体はそのまま起動・動作します。ただし、新たな脆弱性が発見されても修正パッチが出ない状態になります。
対象になりやすい環境
- ボリュームライセンス(VLSC)でOffice 2021を調達している企業
- 「Office 2021 Home & Business」など、PC購入時のプリインストール版(ただしこちらは個人向けで別ライセンス体系)
注意:「Microsoft 365 Apps for Business」「Microsoft 365 Apps for Enterprise」はサブスクリプション型のため、このサポート終了の対象外です。インストールされているOfficeのバージョンを確認しましょう。
バージョン確認方法
- WordやExcelを起動
- 「ファイル」→「アカウント」→「Officeについて」
- 「Microsoft Office LTSC Standard 2021」と表示されていればLTSC版
推奨移行先
| 移行先 | 特徴 | 向いている企業 |
|---|---|---|
| Microsoft 365 Apps | 月額課金、常に最新機能・セキュリティ | クラウド移行を進めたい企業 |
| Office LTSC 2024 | 買い切り、2029年10月までサポート | オンプレ継続・クラウド不可な環境 |
Microsoft 365 Appsへの移行については、Office 2021 サポート終了前に知っておくべき移行ガイドで詳しく解説しています。
2. Windows 10 ESU Year 1 の年次区切り
前提:Windows 10のサポートはすでに終了している
Windows 10(バージョン22H2)は2025年10月14日にメインストリームサポートが終了しました。現在、Windows 10を継続使用している企業・個人は以下の選択肢しかありません:
- Windows 11に移行する(推奨)
- ESU(延長セキュリティ更新プログラム)を購入して継続使用
- 何も対策せずに使い続ける(セキュリティリスクあり)
ESU Year 1の期間と価格
企業・教育機関向けのWindows 10 ESUは、2025年11月〜2026年10月13日がYear 1です。
| ESU年次 | 期間(見込み) | 企業向け価格(USD/台) |
|---|---|---|
| Year 1 | 2025年11月〜2026年10月13日 | $61 |
| Year 2 | 2026年10月〜2027年10月(想定) | $122(Year 1の2倍) |
| Year 3 | 2027年10月〜2028年10月(想定) | $244(Year 1の4倍) |
Year 2以降を購入する場合、Year 1分も遡って購入が必要(累積課金)です。最大3年間の延長が可能ですが、価格が年々倍増するため、早めにWindows 11へ移行する方が経済的です。
個人向けESUは2026年10月13日で完全終了
個人(Windows 10 Home)向けのESUプログラムはYear 2以降が存在しません。2026年10月13日をもってプログラム自体が終了します。個人ユーザーはWindows 11対応PCへの買い替えが唯一の選択肢となります。
企業が今すぐ確認すべきこと
- 社内にWindows 10端末が何台残っているか(資産管理台帳・Intune/Microsoft Entra IDのデバイス一覧で確認)
- 各端末がWindows 11の動作要件(TPM 2.0、64ビットCPUなど)を満たすか
- 要件を満たさない端末はPC買い替えの対象
Windows 10のサポート終了に向けた準備についてはWindows 10 サポート終了:中小企業が今すぐ始めるべき準備、移行時の落とし穴についてはWindows 10 EOS 直前に陥りやすい落とし穴と回避策を参照してください。
3. Windows Server 2012 / R2 ESU の完全終了
これが最も影響が大きい可能性がある
Windows Server 2012 および Windows Server 2012 R2 は2023年10月10日に延長サポートが終了しました。その後、最大3年間のESUが提供されてきましたが、2026年10月13日をもってESUも完全終了します(Microsoft Learn公式ドキュメントで確認済み)。
この日以降、いかなる形でもMicrosoftからセキュリティパッチが提供されません。
ESUのスケジュール
| フェーズ | 期間 | 備考 |
|---|---|---|
| 延長サポート終了 | 2023年10月10日 | 通常の更新提供終了 |
| ESU Year 1 | 2023年11月〜2024年10月 | 有償(Azureは無償) |
| ESU Year 2 | 2024年10月〜2025年10月 | 有償(Azureは無償) |
| ESU Year 3 | 2025年10月〜2026年10月13日 | 有償(Azureは無償)、これが最後 |
Azureの仮想マシン(VM)として稼働しているWindows Server 2012/R2は、ESU期間中は追加費用なしでセキュリティ更新を受け取れましたが、2026年10月13日以降はAzure VMでも更新が停止します。
影響を受けるサーバーの見つけ方
以下の方法で環境を棚卸しします:
- Active Directory管理センターやComputers OUで古いサーバー名を確認
- Microsoft Defender for CloudやAzure ArcでOSバージョンを一括確認(Azure環境)
- システム管理者がいない場合は、IT管理ツール(RMM)のレポート機能を活用
移行先の選択肢
| 移行先 | 概要 | 向いているケース |
|---|---|---|
| Windows Server 2025 | 最新版、2034年までサポート | オンプレを継続する場合 |
| Windows Server 2022 | 安定版、2031年までサポート | 実績重視の場合 |
| Azure IaaS(VM) | クラウドへリフト&シフト | ハード更新コストを避けたい場合 |
| SaaS/PaaSへ移行 | ファイルサーバー→SharePoint等 | サーバーレスを目指す場合 |
詳しい移行手順はWindows Server 2012/R2 ESU 最終期限前に完了すべき移行ステップおよびWindows Server サポート終了後の移行ガイドをご覧ください。
自社への影響チェックリスト
以下の質問に「はい」と答えた項目が、自社で対応が必要なものです。
Office LTSC 2021
- 社内PCにOffice 2021がインストールされている
- ライセンスがボリュームライセンス(VLSC購入)またはOEMプリインストール版
- 2026年10月13日以降もそのOfficeを使い続ける予定がある
Windows 10
- 社内にWindows 10のPCが残っている
- Windows 11への移行が完了していない
- ESU(延長セキュリティ更新)を購入していない、または購入期限が来る
Windows Server 2012 / R2
- オンプレミスまたはクラウドでWindows Server 2012またはR2が稼働している
- 2026年10月13日以降もそのサーバーを使い続ける予定がある
1つでも「はい」があれば、今すぐ対応計画を立てる必要があります。
3つの期限に対する優先順位の考え方
すべてを同時に対応するのは負荷が高い場合があります。以下の優先度で検討してください。
優先度:高 — Windows Server 2012 / R2
サーバーはPCより影響範囲が広く、停止リスクも高いです。ESUが切れたサーバーはランサムウェアの格好のターゲットになります。まずサーバーの棚卸しと移行計画の策定から始めてください。2026年10月13日は延長不可の絶対期限です。
優先度:高 — Windows 10
PC台数が多いほど移行に時間がかかります。Windows 11非対応の古い機種がある場合はPC調達のリードタイムも考慮が必要です。秋の繁忙期(10月)を避けるため、夏前(7〜8月)に移行作業を完了させるのが理想です。
優先度:中 — Office LTSC 2021
Office自体は動き続けます。ただし、マルウェアがOfficeファイル経由で侵入するケース(マクロ攻撃等)は多く、パッチが当たらない状態は中長期的なリスクです。Microsoft 365へのライセンス切り替えを検討するよい機会です。
今から動くべき対応スケジュール(目安)
| 時期 | 推奨アクション |
|---|---|
| 2026年6〜7月 | 影響を受ける製品・台数の棚卸し完了、移行計画の策定 |
| 2026年8月 | Windows Server移行作業開始、Windows 11移行の優先対象端末を特定 |
| 2026年9月 | Windows 10→11移行の実作業、Officeライセンス切り替え手続き |
| 2026年10月1〜12日 | 最終確認・残存リスク評価・ESU継続が必要な端末の追加購入手続き |
| 2026年10月13日 | 期限到来。未対応サーバー・PCは運用リスクの高い状態に |
まとめ
2026年10月13日は「Microsoftの3重サポート終了日」として、中小企業の情シス担当者が今から意識しておくべき節目です。
- Office LTSC 2021:セキュリティ更新停止。Microsoft 365 AppsまたはLTSC 2024への移行を検討
- Windows 10 ESU Year 1:企業はYear 2購入か、Windows 11移行が必要。個人向けESUはここで完全終了
- Windows Server 2012 / R2:ESUが完全終了。延長なし。移行一択
3つすべてが重なるこの時期は、IT対応コストと工数が集中しやすい時期でもあります。情シス365では、こうした複数のサポート終了が重なる局面での対応計画策定・実作業支援を行っています。「どこから手をつければよいかわからない」という場合はお気軽にご相談ください。