【2026年8月】Google Workspaceアップデート|GCPWがFIDO2セキュリティキーに対応
本記事の情報は2026年8月11日時点のGoogle Workspace Updatesの公開情報に基づきます。Googleの機能公開は「Rapid Release」「Scheduled Release」でタイミングが異なり、全ユーザーへの反映まで最大15営業日かかります。自社での利用可否は管理コンソールで確認してください。
今月の要点
2026年8月のGoogle Workspaceは、認証の強化とAI機能の業務フローへの組み込みが中心です。中小企業の管理者にとって実務上の影響が大きいのは、GCPWのFIDO2対応と、Meetの議事録機能に追加されたスクリーンショット取得の扱いです。
GCPWがFIDO2セキュリティキーに対応
Google Credential Provider for Windows(GCPW)が、FIDO2準拠の物理セキュリティキーを2段階認証の第2要素として使えるようになりました。 2026年7月13日から段階的に展開され、8月にかけて全Google Workspaceのお客様に順次届いています。
GCPWは、WindowsのサインインにGoogle Workspaceアカウントを使えるようにする無償ツールです。今回の対応で、Windowsのログイン画面の時点でハードウェアキーによる2段階認証を強制できるようになりました。あわせて、Bluetoothで近くにあるスマートフォンのパスキーを第2要素として使うこともできます。
なぜこれが重要か
これまでフィッシング耐性のある認証(FIDO2)は、ブラウザ経由のGoogleサービスへのログインには適用できても、Windows端末そのものへのログインには適用できませんでした。PCにログインさえできれば、保存された認証情報から業務データにたどり着ける状態が残っていたわけです。
今回の対応で、その入り口までフィッシング耐性のある認証を広げられます。ノートPCの持ち出しが多い企業や、退職者の端末回収が徹底しきれていない企業では、検討する価値があります。
導入時の判断材料
物理キーは1本あたり数千円で、原則として1人1本、紛失時の予備を含めると余裕を見た本数が必要です。全社一斉ではなく、管理者アカウントと、機密情報を扱う部門から先に配布する進め方が現実的です。
なお、GCPW自体を導入していない企業にとっては、まずGCPWの導入検討が先になります。GCPWはGoogle Workspaceのライセンスに含まれるため、追加費用なく利用できます。
パスキーとFIDO2の考え方はパスキー認証の解説記事で扱っています。
Meetの議事録機能がスクリーンショットを自動取得
Google Meetの「Take notes for me(自動議事録)」機能が強化され、会議中に共有されたプレゼン画面のスクリーンショットを自動で取得し、議事録に含めるようになりました(2026年8月3日)。
管理者にとっての論点は、この機能を管理コンソールでどう制御するかです。設定は「常に許可する」か「録画が有効なときのみ許可する」かを選べます。
議事録に画面が自動で残るということは、機密情報が映った画面もそのまま記録されるということです。人事情報や財務データを画面共有する会議がある場合、既定のまま有効にしておくのは避けたほうがよいでしょう。「録画が有効なときのみ」に寄せておけば、少なくとも参加者が記録されていることを認識した状態に限定できます。
AI利用ポリシーを整備していない場合は、この設定を決めるタイミングで**「会議の記録をどこまでAIに任せるか」を明文化**しておくことをおすすめします。
Workspace StudioからGemini Notebookへソースを自動追加
Workspace Studioに、Gemini Notebookへソースを追加するステップが追加されました(2026年8月7日)。テキスト、Driveファイルへのリンク、YouTubeやWebのURLを、定型ワークフローの一部として自動でノートブックに取り込めます。
対象エディションは Business Starter / Standard / Plus、Enterprise Standard / Plus です。
定期的に情報収集して整理する業務——たとえば競合の発表を追う、業界ニュースをまとめるといった作業——を半自動化する用途に向いています。ただし、取り込む情報の中に社外秘や個人情報が混ざらない設計にしておく必要があります。
その他のアップデート
Google Driveの動画にタイムスタンプ付きコメントを残せるようになりました(8月3日)。動画の特定の時点にコメントを固定でき、タイムライン上にマーカーが表示されます。研修動画のレビューやマニュアル動画の修正指示に使えます。
Google Meetハードウェアのユーザー報告フィードバックが管理コンソールで確認できるようになります。会議室の機器について利用者が報告した不具合を管理者が把握できるため、会議室環境の運用改善に使えます。
なお8月上旬はGoogle Classroom関連の更新(Geminiの全年齢対応拡大、採点ルーブリックの自動生成)が複数出ていますが、これらは教育機関向けの機能です。一般企業の管理者が対応する必要はありません。
今月のアクションアイテム
| 優先度 | 対応 |
|---|---|
| 高 | GCPW導入済みなら2段階認証の設定を見直し、物理キーの適用範囲を決める |
| 高 | Meet議事録のスクリーンショット取得を「常に許可」か「録画時のみ」か判断する |
| 中 | Workspace StudioのGemini Notebook連携を使う場合、取り込む情報の範囲を決める |
| 低 | Meetハードウェアのフィードバック確認を運用フローに組み込む |
まとめ
- 今月の目玉はGCPWのFIDO2セキュリティキー対応。Windowsのログイン画面までフィッシング耐性のある認証を広げられる
- 物理キーは管理者アカウントと機密情報を扱う部門から先に配布する進め方が現実的。GCPW自体は追加費用なしで使える
- Meetの議事録がプレゼン画面のスクリーンショットを自動取得するようになった。機密情報が映る会議があるなら「録画時のみ」に寄せる判断が要る
- Workspace StudioのGemini Notebook連携は、取り込む情報に社外秘が混ざらない設計が前提
- Classroom関連の更新は教育機関向けで、一般企業の対応は不要
- Googleの機能反映は最大15営業日かかる。管理コンソールで自社の利用可否を確認すること
Google Workspaceは毎週のように更新が入るため、自社に影響するものだけを拾い続けるには継続的な工数がかかります。情シス365では、GWSの更新管理・セキュリティ設定・アカウント運用を含めたIT運用代行を、運用支援(月額12万円〜)で提供しています。無料相談で現状の運用体制からご相談いただけます。